サトシ「何処行ったんだよ……相棒

1 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/18 22:23 ID:lWIr7iQp

⚠︎本スレを読む前に、
サトシ「さあ……行こうぜ、相棒 を読む事をオススメします。
本日より、ゆっくりと進めていこうと思います。


2 名前:名無し 投稿日:2017/07/18 22:28 ID:lWIr7iQp
……………………………………

………………




霧の立ち込める森林地帯。
標高は200か300くらいだろうか?傾斜がキツく、岩が多い。
油断していると直ぐに足を痛めてしまいそうだ。
それに、現在は数十キロの旅道具を背中に背負っているので尚更油断はできない。



近辺で凶暴そうなポケモンの鳴き声も聞こえてきた。
およそ50メートル側方だろうか?
気配的に此方には感づいているだろうが、警戒しているのか近づいてくる気配は無い。
彼らのテリトリーならば急いでこの場を去らなければ。



そんな状況を経て、サトシはなるほど此処が初級トレーナー立ち入り禁止エリアであるのも頷けるな。
などと気楽な考えを頭に浮かべていた。



ピカチュウがサトシの前から姿を消して、既に一ヶ月が経過していた。
相変わらず全国に捜索手配をしてもらったが、警察からは音沙汰は無い。


やはり鍵を握るのはあの少女か……とサトシは傾斜を登りながら言葉を漏らしていた。
旅立ちの日、サトシの前に現れてピカチュウからの伝言だと口にした少女。



彼女はサトシにとって全くと言っていい程面識が無いはずだが、サトシはどうしても彼女が他人の様には思えなかった。
むしろ親近感すら覚えてしまう彼女には、必ずピカチュウを探し出すヒントか何かがある筈……サトシはそう結論づけていた。
だが……勿論彼女に関する手がかりは皆無であり、それを起点に捜索をするには情報が少なすぎた。



まず、彼女との出会いは一瞬の出来事だった為に顔の特徴など細やかな部分をサトシはあまりよく覚えていなかったのだ。
その為、絵師を使ってのモンタージュ作成などは困難というより不可能だった。
アテになるのはサトシの記憶にある朧げなイメージだけ。



また邂逅すればそれが彼女かどうか分かるのだろうが、そんなチャンスは二度と回ってくるか分からない。



そして何よりサトシの頭を悩ましたのは彼女が一瞬のうちに青い閃光と共に姿を消した事だ。
普通ならありえない、技を使うポケモンならまだしも生身の人間が姿を消す事など……。



それに何らかの方法でポケモンの技を使って姿を消したのだとしても、それはありえなかった。
ポケモンの技であるテレポートの範囲は平均で言えば精々約数10メートル程だ。



サトシの家の周りは拓けている為、辺りを見渡せば何処に移動したかは確実に把握出来る。
トドメに手持ちのポケモン達を展開してまで捜索したのにも関わらず一向に彼女は見つからなかったのだ。
3 名前:名無し 投稿日:2017/07/18 22:54 ID:N72X4Zji
前スレ

http://sssoukovip.com/thread/391/
4 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 09:14 ID:mKL3PngZ
支援
5 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 10:44 ID:MqcxGNSB

彼女は一体何者なのか?
……少なくとも幽霊や幻の類では無い事はサトシは直感的に感じとっていた。




……………………………

………………


山の頂上にたどり着いた。
風が強く、暗かった雲が晴れて登りかけの太陽が顔を見せていた。
気温が上がり、数時間もすれば霧も晴れて視界も良好になるだろう。



サトシは腰につけていた水筒の水を一口飲んだ。
そして、バッグから中型のアンテナを取り出し、小型の携帯にセットする。
すると圏外だった電波障害が嘘の様に改善され、何件かのメールがサトシの携帯に着信する。




メールは二件。
一件目の内容は警察からの経過報告だった。
一応開いてみるが、勿論成果は無し。サトシはため息を吐きながら二件目のメールを開く。




それはサトシが予想だにしない内容だった。


宛先 サトシ様へ
件名 地方連合教育委員会よりお知らせ

この度、地方連合教育委員会よりかねてから提案されていた、地方連合諸国の若い人的資源のさらなる発展と能力向上を願っての全連合諸国対応型の最高レベルの教育施設の完成に伴って、現連合諸国のチャンピオンであるサトシ様の入校を我々地方連合委員会は熱望しております。
サトシ様の才能を更に向上させる事が可能な全世界最高峰の教育機関で沢山の仲間と共に教育を受けてみませんか?
興味がおありの様でしたら、こちらの番号までご連絡願います。

×××ー×××ー×××




我々委員会はさらなる地方連合諸国の発展と輝かしい未来を願い、活動をしております。

ポケモンハイスクール校長、カシワギ

6 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 11:17 ID:5xb3TacS
一番最初のポッチャマはあの日から常にボールか?
最後のカスミは殺ったのか?
7 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/19 16:09 ID:MqcxGNSB

ポッチャマはヒカリのボールの中です。
現代戦において、兵器を持った人間に対しポケモンを送るのは自殺行為ですから……とかなんとか言っていますが、プロローグでは描写がメンドくさくてあまり登場させなかっただけです。

カスミについては秘密です。
8 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 21:18 ID:JVOxpUXt
久々に覗いたら完結しとる!とか思って驚いた所にプロローグとか聞いてめちゃ喜んだ。
9 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 21:46 ID:MqcxGNSB



サトシはそのメールの内容を見て、複雑な感情を抱いていた。
学校……仲間……最高峰の教育。
惹かれる単語は沢山ある。



実際にサトシはアローラ地方で生活していた際に学校に通っていたのだ。
それは今尚、色褪せない大切な思い出だ。





サトシ「だけどな……相棒がいなきゃ学園生活も楽しめねーからな




サトシは呟く様に言葉を発した後、携帯からアンテナを引き抜いてバッグの中にしまった。
近くの岩に腰をかける。



一息ついてから、今度はバッグのサイドポケットから数枚の写真を取り出して、サトシはそれを眺め始めた。



旅の楽しかった思い出だ。
ピカチュウと一緒にはしゃぎまわっていたり、カスミやタケシとバカをやっている写真もあった。




思わずサトシの顔から笑みがこぼれた。
写真をめくって更に眺める。




ハルカとマサトだ、ハルカが嬉しそうに始めて手にしたコンテストのバッチを手にしている。
それをマサトが後ろから暖かい目で見つめていた。




アイリスとデント、ポケモンセンターの前で撮ったのだろうか?手持ちのポケモンも全員集まって集合写真の様な感じだった。




セレナ、シトロン、ユリーカ。
これも集合写真だ、皆んな素晴らしい笑みを浮かべている。




他にも思い出の詰まった写真をサトシは笑みを浮かべながら眺めていた。



10 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 22:00 ID:MqcxGNSB



サトシ「……ん?



サトシは眺めていた最後の写真に目がいった。
サトシとタケシの横に一人見覚えの無い女の子がそこには写っていた。



長い髪にニット帽を被っているとても可愛い女の子だ。
サトシ、タケシと共に並んで屈託の無い笑顔を浮かべていた。
写真の裏を見てみると、シンオウ地方を旅していた事を証明するタケシの筆跡が残されている。



サトシ「……誰だっけ、この子



サトシは記憶の中にあるシンオウでの旅路を思い返してみたが……どうしても彼女の事を思い出す事は出来なかった。
サトシの記憶では、シンオウの旅はそもそもタケシとの二人旅だった筈だ。



なのでその途上で出会った人物なのだろうが……。
11 名前:名無し 投稿日:2017/07/19 22:58 ID:JVOxpUXt
支援
12 名前:名無し 投稿日:2017/07/20 16:18 ID:OBaUZfiG
そういやレッドどうした?
13 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/20 16:24 ID:IHp9IpLr
レッドについては秘密でもあった通り、師匠に記憶改変をなされて現在はホワイトホールにいます。
14 名前:名無し 投稿日:2017/07/20 16:26 ID:lQLtubOA
作者さんへ
このssのタイトル「何処に言った…」のところ「何処に行った…」の間違いですか?
15 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/20 16:48 ID:IHp9IpLr
すみません、今気がつきました笑
修正できないし、もうこのままでいいや
16 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/20 17:25 ID:IHp9IpLr
レッドの質問についての受け答えも、秘密でもあった通り……ではなくて描写でもあった通り、です

誤字多くてすんません。

今夜は誤字の無い様に頑張って書きます。
17 名前:名無し 投稿日:2017/07/20 21:29 ID:OBaUZfiG
えぇ…レッドまさかのかませいぬエンドなのかっ
18 名前:名無し 投稿日:2017/07/20 23:04 ID:IHp9IpLr



サトシはこの写真に言い知れぬ違和感を覚えていた。この感覚はあの謎の少女と出会った時と類似している……。
妙な親近感、他人とは思えない既視感……。
ただ出会った時の事を忘れているだけなのか、それとも……。




サトシは再びバッグから携帯を取り出し、アンテナを装着すると、今度はダイヤルを回して耳元にそれを当てた。





………………………………

……………

ニビシティー中部にある喫茶店、ポカロン。
レトロな様相で普段は落ち着いた雰囲気を醸し出しているこの店も、今日は少しばかり様子が違った。



そんな中で、コーヒーを飲む二人の男がいる。
タケシとサトシだ。
タケシは少し困惑顔で、サトシはしれっとした様子でコーヒーにくちをつけていた。




タケシ「……それにしても驚いたぞ、急に連絡が途絶えたと思ったら、突然連絡してきて今すぐ逢えないか?なんてな……それにしてもお前、もう少しなあ……




タケシは喫茶店のソファーにもたれかかりながら、辺りを見渡してそう口にする。
サトシはその方向を眺めてみると……遠巻きにこちらを伺う群衆が興奮した様子で見てきていた。




タケシ「ポケモンマスターがこんな街中の喫茶店で待ち合わせなんかしたら大変なことになるのは分かってたろ……しかもサトシ、お前、リザードンに乗ってここまで来たんだろ?最近はポケモンで空を飛ぶのは禁止な場所が増えてきたんだ、少しは自重しろよ




サトシ「肝に銘じるよ……実際に新米の可愛いジュンサーさんにキップを切られたしな



サトシは苦笑を浮かべながら、悪びれる様子なくニビ警察の刻印が入ったキップをヒラヒラとタケシに見せた。
タケシは無言のままその違反キップをサトシから奪いとる。
そして、彼はその違反キップをマジマジと見つめ始めた。




サトシ「おっと……なんだよ、急に



タケシ「……そのジュンサー、最近流行りの一般枠からのヤツか?



サトシ「だろうな、いつものジュンサーさんじゃ無かったし



タケシ「……裏に電話番号が書いてあるぞ



サトシ「え、マジ?ちょ、かえ……



タケシは無言のまま違反キップを破り捨てた。
そのタケシの表情は不動明王の様に揺るぎなく、慌ててキップを取り返そうとしたサトシは思わず動きを止めた。



タケシ「……



サトシ「……
19 名前:名無し 投稿日:2017/07/21 05:22 ID:8TBNvl1g
不動明王とかw
20 名前:名無し 投稿日:2017/07/21 06:44 ID:Xpkth4TI
たけしもおとなになったなぁ
21 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/21 19:34 ID:sL3vDP7v

奇跡です。
スレタイがいつ間にか修正されていました笑
もしかして管理人さんでしょうか?粋な計らいですね。
黙ってやって下さるあたりイケメンさを感じます。
さすが雑談板の創造主。



明日は久しぶりに休みなので、頑張って進めたいと思います。
22 名前:名無し 投稿日:2017/07/22 10:26 ID:5BLrFbVT


タケシ「……いや、違うぞ




サトシ「何が違うんだよ……




タケシ「別にモテモテなお前に嫉妬したとかじゃないからな……俺は厳正な職務を果たしていない同僚に対して怒りを覚えただけだ……うん





サトシ「はっ?同僚?




サトシの言葉に、タケシはハッとして胸からなにやら手帳な様な物を取り出した。
その手帳には……地方連合警察の刻印がなされていた。




タケシ「そういや言って無かったな、俺は警察になったんだ。今はトキワシティーの警察署で勤務している




サトシ「はあ〜!?警察!?お前ポケモンドクターの夢はどうしたんだよ!




タケシ「……ポケモンを救うという意味ではどっちも変わらないだろう。ひとつ言っておくが……決してジュンサーさんの事を追いかけて警察になったとかじゃないからな




サトシ「なるほどな、ジュンサーさんの尻を追っかけて警察になったのか。お前らしいぜ
23 名前:名無し 投稿日:2017/07/22 13:45 ID:5BLrFbVT


タケシはこれ以上ない位なしかめ面を浮かべた後、コーヒーを一口すすった。
そして、それをカップに置くと表情を崩さずに再び口を開く。



タケシ「ゴホン……そんな事よりなんか用があって俺に会いに来たんだろ?



タケシがそう言うと、サトシが懐から一枚の写真を取り出した。
タケシは身を乗り出してその写真を確認した。
その写真には笑顔を浮かべているサトシ、タケシと見知らぬ少女の姿があった。
24 名前:名無し 投稿日:2017/07/22 14:35 ID:sKlZB52I
更新はよ
25 名前:名無し 投稿日:2017/07/22 15:14 ID:5BLrFbVT


サトシ「タケシは……この女の子の事覚えてるか?



タケシ「ん〜……記憶力には自信があるんだが……すまん、覚えてないな。この女の子がどうかしたのか?




サトシ「……ああ、実はな




サトシはこれまでの経緯を包み隠さずタケシに話した。
ピカチュウがいなくなった事、謎の少女に会った事……そして、この写真に写る女の子から感じる、謎の少女と同じ既視感。
サトシが全てを語り終えるまで、タケシは真面目な表情でその話を聞いていた。




タケシ「なるほどな……それでわざわざ俺を訪ねて来た訳か




サトシ「ああ……でもタケシも分からないって事は一体誰なんだろうな、この子




タケシ「うーむ……写真の裏の文字は確かに俺だしな。とにかく、シンオウにいる知り合いの署員にも聞いてみるよ。背景から何か手がかりが見つかるかもしれない



サトシ「本当か?今日はわざわざごめんな、忙しい時に




タケシ「なあに、ポケモンマスターきってのお願いだ。断る訳にも行かんさ
26 名前:名無し 投稿日:2017/07/22 23:36 ID:LIKp3sIG



サトシとタケシはそれから少し談笑した後、ギャラリーも多く、店に迷惑がかかるために解散する事にした。
サトシが席から離れようとすると、座ったままのタケシに気がついて口を開く。




サトシ「どうしたんだ、店から出ないのか?



タケシ「ああ……ちょっと待ち合わせしててな。お前は一刻も早くピカチュウを探しに行きたいんだろ?俺は気にせずに先に行っていいぞ



サトシ「待ち合わせ?……まあ、いいか。サンキューな、タケシ。また会おうぜ



タケシ「気をつけて行ってこいよ



そう言うとサトシは二人分のコーヒー代を机の上に置いて、席から立ち上がってその場を去ろうとする。
するとサトシは、ふと何かを思い出した様に振り返った。




サトシ「そう言えば……タケシは所属がトキワ警察なんだろ?何でニビに居たんだ?




タケシはにっこりと笑みを浮かべながら、「便利な部下が居てな」とだけ答えた。
サトシは釈然としない様子だったが、それ以上問答する疑問でもないために、軽く手を振って「そうかい」と店の外に退散して行った。




タケシ「……サトシは行ったぞ、出てこいスイレン



スイレン「はいはい



タケシがそう言葉を発すると、座っていた後ろの座席から、間抜けな返事をしたスイレンが現れた。
スイレンは欠伸をかきながらタケシの席の対面に座る。




スイレン「サトシは相変わらずかっこいいですね、署長の二倍くらい



タケシ「ほう……俺はお前の勤務成績を下げてボーナスを減らす権限があるのになあ……随分な言い草じゃないか




スイレン「訂正します、サトシは1.5倍署長よりかっこいいです




タケシ「……お前は本当に……まあいいか、それより仕事の話だ




タケシはサトシから授かったヒカリの写真をスイレンに見せる。
スイレンは面白そうにそれを眺めながら口を開いた。




スイレン「サトシは段々記憶を取り戻しているんですかね?署長はどうなさるおつもりですか?
27 名前:名無し 投稿日:2017/07/23 11:08 ID:U3YYV2hA

タケシ「サトシが記憶を取り戻しつつあるのは考えにくい。能力者が行う記憶改変のメカニズムは完全なる記憶の書き換えだ。元の記憶は完全に消去され、微塵にも残ってないだろう。取り戻す事も不可能な筈だ……サトシは元より人並みはずれた直観力を持っている、既視感を感じたのはそのせいだ。今のあいつは自身の都合の悪いことだけ忘れている純情少年に逆戻りだ、まるで創造主の様にな……ただ、バトルの腕は健在な筈だ




タケシは机の下に置いていたバッグから一枚の封筒を取り出した。
その封筒に書かれている文字にスイレンは度肝を抜かれる。




スイレン「署長……まさか、あの作戦にサトシを?……今の鬼みたいなヒカリにバレたら公安に攻め込まれるよ?




封筒に書かれている文字は……地方連合教育委員会、ポケモンハイスクール申請書類在中と書かれていた。




タケシ「サトシは我々の陣営に引き込めれるかもしれん……ホワイトホールの配慮など知った事か、これから盤上の支配者となるのは……公安だ




そう言ってタケシが浮かべた笑みは……作り物では無かった。



28 名前:名無し 投稿日:2017/07/23 17:38 ID:FRX7Ekeu
タケシたちの記憶が消されてないって師匠とヒカリ爪甘すぎじゃね?
29 名前:名無し 投稿日:2017/07/23 18:07 ID:GecJdrni
支援
30 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/23 18:09 ID:wAcHxn35
タケシ達の記憶についてはまた物語で説明いたします。

今夜も時間があれば書いていきたいと思います。
31 名前:名無し 投稿日:2017/07/23 21:53 ID:CSpRQxGw



……………………………

………………


??「ねぇねぇ、次何して遊ぶ




サトシ「ん?……あれ?




沢山の人がごった返す遊園地の広場、作られた小ぶりの噴水のすぐ側で。
気づけばサトシは見知らぬ小さい五歳くらいの女の子に手を引かれていた。
頰に付着する噴水からの粒子となった水滴を感じながら、サトシはいきなりのこの状況が飲み込めず、自分を引っ張る女の子に対して腰を下ろして視線を合わしてから質問をした。



サトシ「えっと……君は誰?ていうか……なんで俺はこんな所に?



??「私とこの遊園地が閉園するまでたっくさん遊んでくれたら教えてあげる



サトシ「え?




女の子はそう言うとサトシの手から離れて走り出した。
サトシは慌ててその女の子を追いかける、こんな人の多い所で小さな女の子を一人にすれば危険だからだ……というより、何も分からないこの状況で唯一手掛かりらしい人物を逃すわけにはいかなかった。




…………………………

……………

サトシが女の子を探し始めてから既に30分が経過していた。
あの女の子はサトシが追いかけると同時に、笑いながらごった返す人混みに消え、完璧に見失ってしまったのだった。


サトシが血眼になって探し、それでも見つからず係員に頼るべきか……と諦めかけていた時。




クレープを売る屋台をヨダレを垂らしながら見つめている先程の女の子を発見した。



サトシ「はあ、はあ……おい、やっと見つけたぞ



??「うふふ、見つかっちゃったー!



女の子はサトシに気がつくと嬉しそうに抱きついてきた。
サトシはため息を吐きながら女の子を逃げないように抱きかかえると、ポケットからサイフを取り出してクレープ屋に近寄った。




??「クレープおいしー!ありがとうね、おにいちゃん



サトシの膝の上で美味しそうにクレープを食べる女の子、それを見ながらサトシは本日何度目かのため息を吐いていた。



サトシ「はあ……それより、本当に俺がここにいる理由を教えてくれるんだよな?俺マジで今のこの状況が飲み込めないんだよ……まさか記憶喪失とか



??「俺は記憶喪失なのか?なんて他人に聞いても分かるわけないと思うよ。なんせ記憶なんてものはこの世で唯一人間に許された権利なんだから……まあ、それも凡人の範疇だけどね。神より給えし能力を持つ人間には通じない。実際私に入り込まれてるしね、サトシおにいちゃんは




サトシ「は、はあ?
32 名前:名無し 投稿日:2017/07/23 22:44 ID:CSpRQxGw



突然饒舌になった女の子にサトシは戸惑っていると、女の子はクスクス笑いながら話を続ける。



??「サトシおにいちゃんはバカだから完結に教えてあげるね……ただ答えるだけじゃつまんないからクイズ形式にしようか。あなたはこの場所に来る直前、何をしていたか覚えてる?




サトシ「はっ?……えと、タケシと別れて……ポケモンセンターでちょっと洗濯しようと立ち寄って……洗濯機を回し終えるまでちょっと寝ようと泊まり部屋に……




??「で、部屋で寝たんでしょ?そして気がつけば来た覚えの無い遊園地……ならゆめなんじゃない?この世界、この場所は




サトシ「……えっ?……夢?




??「あれ、違うと思うの?今この状況のなかでは最も信憑性の高い仮説だと思うけど




サトシ「いや……夢の人物にそれを言われるとは思わないよ……それに、感覚もしっかりしている。これを夢だと言い切るのは無理があるな
33 名前:名無し 投稿日:2017/07/24 10:36 ID:M1zSQZou



??「ふーん……じゃあここで問題、現実であるか、夢であるか……それを見分けるにはどうしたらいいでしょう?いち、その世界で一度死んでみる。に、必死に夢である根拠を思い出す。さん、その世界でとりあえず生きてみる




サトシ「……唐突だな。よく分からんが……二か?




??「どうしてそう思う?




サトシ「そりゃ……消去法だよ。1は夢と現実を間違えたら死んじまうんだろ?3も大した解決になんてなってないからな……




??「ふーん……ブブー!サトシおにいちゃん見事不正解、正解はこれだよ!




サトシ「は?




トスッ……という間の抜けた音がサトシの胸あたりから聞こえてきた。
サトシはゆっくりとその方向を確認してみる。
するとそこには……自分の胸に刺さった大ぶりのアーミーナイフが目に付いた。




サトシ「か、カハッ!




サトシは血を吐きながら地面に倒れこんだ。
ナイフを見た途端襲ってくる猛烈な痛み。
そして噴水の様に刺さったナイフの隙間から流れ出る血、血、血……。
痛い、苦しい、息が出来ない。
サトシは地面をもがきながら必死になんとか助けを求めようと通行人に手を伸ばす。




しかし……何故か通行人はサトシの事を見向きもしなかった。
段々と痛みが痺れへと変わり、感覚がなくなっていく。
暗くなっていく視界の中、先程の女の子が楽しそうに腰を下ろして自分を見ているのにサトシは気がついた。




??「覚えておいてね、夢の世界に侵入されて逃げだす方法は……死だよ。現実と見分けがつかない夢に遭遇して、何とかこれは夢だと確信が持てた時……ちょっと怖いけど死を選ぼうね♪



34 名前:名無し 投稿日:2017/07/24 11:28 ID:OzYUu9t4
なんか、サトシ視線が新鮮で面白い
35 名前:名無し 投稿日:2017/07/24 16:06 ID:M1zSQZou



…………………………

………………



サトシ「うわああ!!



サトシは勢いよくベッドから飛び起きて自分の胸あたりを確認する。
胸に刺さっていたナイフは……無い。




辺りを確認すると、ポケモンセンターの宿泊部屋の二段ベッドの下部にサトシは座っていた。
夢か……とサトシは額に浮かんでいた脂汗を拭ってドスンッとベッドに倒れこむ。




サトシ「はあ、はあ……クソッ、何て夢だ……



サトシは悪態をつきながら二段ベッドの上部の天井を見つめる。
歪な形の木目がサトシを睨んでいる様な気がした。




ジョーイ「あ、あの……大丈夫ですか?



ふと隣から鈴を鳴らした様な甘美な声が聞こえてくる。
サトシはそちらに顔を向けると、自分と同年代くらいのジョーイの格好をした可愛い女の子がこちらを心配そうに見つめていた。




おそらく一般枠からのジョーイさんだろう。
サトシはベッドから起き上がってジョーイさんと向き合うと、口を開く。





サトシ「すみません……大丈夫ですよ、ちょっと悪い夢を見てしまって




ジョーイ「……じ、尋常じゃない程うなされていましたよ?貴方は……ぽ、ポケモンマスターのサトシさんですよね?サトシさんが来ていると知って宿泊部屋を覗きに行った子供達が『サトシさんが大変だ!』と知らせに来たんですよ……




サトシ「そうだったんですか……ん?



サトシはジョーイさんの後方に位置する出入り口からチラチラとこちらを伺う少年少女達に気がついた。
サトシが視線を向けると、驚いた様に出入り口から首を引っ込めて隠れる。




サトシは笑みを浮かべると、その子達が逃げないようにゆっくりと近づいて、少年少女達が隠れている廊下へと飛び出した。
すると彼らは驚いて声にならない悲鳴を上げる。




サトシはトレードマークの帽子を脱いで、彼らを見つめた。




……ざっと15人くらいだろうか?狭い廊下にごった返す子供達はサトシの予想を遥かに覆す多さだった。
驚きと感動が入り混じった様な表情を浮かべる子供達に、サトシはようやく言葉を投げかける。




サトシ「心配してくれたんだって?ありがとな、みんなのおかげで悪夢から覚める事に成功したぜ




サトシは一人の少年に自分の被っていた帽子を被せた。
驚きの表情を浮かべた少年は、震える声で恐る恐る言葉を発する。



「こ、この帽子……く、くれるの?



サトシ「ばっちいからいらないとか言うなよ?



サトシの言葉に、少年はブンブンと首が千切れそうな程首を振った。
36 名前:名無し 投稿日:2017/07/24 21:29 ID:M1zSQZou



……………………………

…………

視点 サトシ
ニビシティー ポケモンセンター





俺はその日、ポケモンセンターで洗濯を終えると仲良くなった子供達と一緒にセンターの食堂で食事を取った。
子供達は全員ポケモン取り扱い免許を取得した10歳以上の少年少女らしい……。



それにしては言動や行動が子供っぽすぎる気もした……俺も昔はあーだったのか、と考えると何だか信じられない気持ちになる。




子供達は一重に俺を見つめ、尊敬の眼差しで俺に質問責めをかましてきていた。
おかげで口元まで運びかけた料理がなんどせき止められた事か……。



「WPGの決勝ぼく見ました!何であんなにすごいバトルが出来るんですか?トレーニング方法を教えて下さい!



「私、サトシさんのバトル見てトレーナーになろうって決めたの。もし、私がリーグで優勝できる様になったらバトルして下さい!




そんな感じの質問をいくつも受け、俺が答えようと四苦八苦していた所である人物から助け船が入った。




ジョーイ「こら、サトシさんが困ってるでしょ。みんな質問するのは食事が終わってからにしなさい



俺を起こしにきていたジョーイさんだった。
意外にもこの言葉に子供達は素直に従い、自分達が料理を食べていたテーブルへと戻っていく。
ニビにいたくらいの昔の自分にこんな素直さがあっただろうか?……と一人浸っていると。



先程のジョーイさんが遠くにある職員専用扉の前でコッソリと手招きをして俺を呼んでいた。
37 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/25 04:35 ID:GjBdbUuY
視点 サトシとなっている時は完璧な一人称視点の時です。
38 名前:名無し 投稿日:2017/07/25 05:49 ID:CboR1JoK
支援
39 名前:名無し 投稿日:2017/07/26 15:15 ID:rUfhMxZX
支援
40 名前:名無し 投稿日:2017/07/27 13:20 ID:zFg1uW7X
支援
41 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/07/27 15:42 ID:BaThUkQP
支援あざす、今夜は時間がありそうなので結構書き進めていきたいと思います。
42 名前:名無し 投稿日:2017/07/27 21:22 ID:UfFa4J9U



俺は席から立ち上がると、手招きをするジョーイさんのそばに近寄り、疑問を口にする。




サトシ「どうしたんですか?




ジョーイさんは口に一本指を立て静かにと合図した後に、チョイチョイと再び手招きをした後に職員用の開閉扉の奥に消えて行った。
俺は首を傾げながらも、ジョーイさんの消えた開閉扉を押して歩みを進めた。





…………………………

………………


サトシ「ここは?



ジョーイ「しょ、職員用の休憩室です。あの子達は急いでご飯をかきこんでましたから、また質問責めに会う前にこちらに避難していただこうと思いまして……




サトシ「ははっ、わざわざありがとうございます




ジョーイ「い、いえ!




サトシが笑ってお礼を言うと、ジョーイさんは看護服のスカートの先をいじりながら挙動不振に答えた。
もじもじとしながら顔を赤くするジョーイさんをサトシは不思議に思っていると……サトシが先程まで食べていた食事をお盆に乗せ、ハイテンションで運んできたラッキーが休憩室に入ってきた。




ラッキー「ラッキー♪



サトシ「おっ、わざわざありがとうな、ラッキー!




ジョーイさん「あ、まって下さい!




サトシが食事を受け取ろうとすると、ジョーイさんが慌てて、まるで奪い取る様にラッキーから食事を受け取った。
その様子にサトシだけでなく、ラッキーまで驚いた表情を浮かべる。




それに気づいたジョーイさんはハッと我に返り、言い訳する様にまくしたてる。




ジョーイ「しょ、食事が冷めてしまっているのでレンジで温めますね!ほら、ラッキーもう行っていいわよ、ありがとう




ラッキー「?ラキッ




ラッキーは不思議そうにしながらも素直に休憩室から出て行った。
43 名前:名無し 投稿日:2017/07/27 21:50 ID:UAZA6AuR


サトシもラッキーと同様、不思議そうにそれを目で見送りながら、再び口を開く。



サトシ「いえ……別に冷めててもいいですよ




ジョーイ「お、お願いします!サトシさんには温たかい食事を取って欲しいんです!



お願いされたなら仕方ない……とサトシは頰をぽりぽりとかいた。



サトシ「じゃ、じゃあ……お願いします




ジョーイ「はい!少し待って下さいね!




意気揚々と背中を見せて食事を温め始めたジョーイさんを見て、サトシは心中で『……この人ちょっと変わってんな』と正直な感想を浮かべていた。
しかし、やってもらっている事は好意だ。
サトシは余計な雑念を振り払って感謝の気持ちで心を支配しようと試みる。




……そんな最中、背中を向けて作業をしているジョーイさんがサトシに話しかけてきた。
44 名前:名無し 投稿日:2017/07/27 22:14 ID:XVywoyXF



ジョーイさん「サトシさんは……WPGの時、私に言った言葉を覚えてますか?




サトシ「えっ?




予想外の言葉に、サトシは思わず間の抜けた声を出してしまう。
ジョーイさんはカチャカチャとレンジから取り出した料理を運びながら、少し寂しそうな顔をした。




ジョーイ「やっぱり……覚えてらっしゃらないですよね……




サトシは必死にWPGの時のことを記憶の奥底から引き出してみた。
しかし……このジョーイさんが言っている事は全く記憶上では該当しない。





サトシ「あの……WPGの時に俺が貴女に言った事って……




ジョーイ「ああ、食事がまた冷めてしまいますよ、お早目に召し上がってください
45 名前:名無し 投稿日:2017/07/27 22:26 ID:ILHPea4E
支援!
46 名前:名無し 投稿日:2017/07/28 11:07 ID:PiKzOTSC
しえーん
47 名前:名無し 投稿日:2017/07/28 21:22 ID:XNByPiIW


サトシ「あ、ああ……はい




釈然としないながらも、サトシはジョーイさんの言葉通り料理を口に運ぼうとする。

WPGの時って事は……観客か?
いや、観客と触れ合う様な事はその時はなかった……なら、運営側?
いや……どれも記憶にない。
この子は一体何なんだ?俺が以前に会ったのを覚えてないだけなのか?
そんな考えを浮かべながら料理が口内に到達する一歩前だった……突然、頭の中に聞き覚えのある声が響いてきた。




『あー、サトシおにいちゃん、その料理食べちゃ駄目だよ




サトシ「!?




サトシは料理をすくっていたスプーンを思わず下げる。
ジョーイさんは何故かもどかしそうに唇を噛んでいた。




ジョーイ「……どうしたんですか?




サトシ「この声……確か夢の中で……




ジョーイ「声?




『その人には聞こえないよ、私はサトシおにいちゃんの脳内に語りかけてるから




サトシは思わずあたりを見回した。
言葉通り、目の前にいるジョーイさんには全くもって聞こえていない様だった。
それに……言葉を発している主が見当たらない。
まるでその声はカラオケの様に脳内に反響している。




『ついでに言うならそこから直ぐに離れた方がいいよ、おにいちゃんの目の前にいる女は危険だから




サトシ「お前何言っ………



バチッと電撃の流れる音が響いた。
鼻腔内で焦げ臭い匂いを感じる。
サトシは脳内に響きわたる声に返答する前に、目の前が反転して椅子から転げ落ちた。
体が痺れ、痙攣と同時に一瞬にして硬直する。



何が起こったのかと、かろうじて動く眼球を動かすと……スタンガンらしき物を持ったジョーイさんが無表情のままサトシを見下ろしていた。




『あーあ……




サトシ「な、な……んで?




ジョーイ「なんで?貴方が言ったんじゃないですか……




サトシは薄れゆく意識の中、スタンガンを再び押し付けるジョーイさんの最後の言葉を鼓膜に捉えた。




ジョーイ「テレビで……夢を叶えろって……俺はそんな人達を全力で尊敬するって……私の夢は……貴方を手に入れること




『メンヘラにつかまっちゃったー




サトシは何度もスタンガンを押し付けられ、数瞬で意識を失った。





……………………………

……………

視点 サトシ




「サトシおにいちゃんはとことん女運が無いねー、ここまできたら拍手喝采ものだよ。メンヘラに、ヤンデレにツンデレにクーデレ……あれ、他になんかあったっけ?



何処かの遊園地……そしてその観覧車の内部。
昼間見た夢がフラッシュバックする中……。
観覧車の対面席に座る、俺を刺し殺した女の子がアイスクリームを舐めながらそう言葉を発していた。
俺は観覧車の内部という逃げられない環境の中で、警戒しながら必死に言葉を絞りだす。




サトシ「……お前は……一体……何なんだよ




「私に警戒するより、今の現状を心配した方がいいよ。サトシおにいちゃんは現実世界でメンヘラ女に捕まって縛りあげられているから




サトシ「……お前は俺を刺し殺したろ……そんな奴を警戒しないなんて心臓を俺は持ち合わせちゃいない




「夢の中で、でしょ?あれはレッスンみたいなものだよ。いい?コレは夢、貴女と私が生み出した創造世界。だからこんな事もできる
48 名前:名無し 投稿日:2017/07/28 21:36 ID:MlEo2DU3



女の子がそう言いながら、軽く腕を振ると……重力が反転して俺は観覧車の天井に叩きつけられた。
頭をさすりながら辺りを見回すと……女の子だけは平然と椅子に座ってアイスクリームを舐めながら俺を見上げていた。
俺は今……観覧車の天井に座っている状況だ。

もう……訳が分からない。




サトシ「これが夢?……こんな事が起こるんだから夢なんだろうけど訳が分かんねぇよ!何でその夢の中でお前は平然と俺に話しかけてきてんだ!




「そうね、私は貴方の夢の中に住んでいるの。ちょっと前にクソ幼馴染のせいで体を失っちゃってね……仕方ないから貴方の精神体に住まわせてもらってるの、私は貴方の夢の中で好き放題させてもらってる感じ




サトシ「はあ!?……何のために?




「その方が面白いから、復讐でもあるわ




サトシ「……訳わかんねぇぜ。具体的に言えよ!
49 名前:名無し 投稿日:2017/07/28 22:36 ID:MlEo2DU3



「はー……貴方今の状況が分かってるの?そんな事私に聞いてる場合じゃないわ、今メンヘラ女がしようとしている事分かる?薬漬けよ、貴方の体を薬漬けにして支配下に置こうとしている。そんな事されたら一緒に住んでる私もたまったもんじゃないわ。私は今、大半の力を失っている……それこそ創造世界に現れるか現実で脳内に語りかけるか位しか出来ない程に




サトシ「……だから、なんだ?




「私が現実世界でナビゲートしたげる、貴方はその通りに動きなさい。じゃなきゃ、貴方は薬漬けで一生まともな思考が出来ない体にされるわよ




サトシ「……




「あーそうそう……私名乗ってなかったね。私を知る人間たちからは創造主って呼ばれたりするけど……ホントはもっと素敵な名前があるの



女の子が再び腕を振ると……突如世界に亀裂が入り、そこから漏れる光で視界が白くなっていった。
感覚的に夢から目覚めようとしている様な感じだった。




「名前はユカ。サトシおにいちゃん、頑張ってメンヘラ女から逃げてみせてね!
50 名前:名無し 投稿日:2017/07/28 23:18 ID:Q0QAlORZ



………………………

……………


サトシ「ンッ!?ンンンー!?



サトシは目を覚ますと、両手両足をロープで縛られて口にガムテープを貼られていた。
真っ暗な部屋だ、人の気配は無い。
サトシは必死に両手両足のロープを解こうとするが、それは叶わなかった。
キツく縛られている上にスタンガンの余韻がある、解けたとしても体は満足に動けるかどうかも怪しかった。




サトシはそれを受け、さっきの夢と現実に起こっている最悪の現状を認めざるを得なかった。





ユカ『はいはい、あわてないで。騒ぐと奴が来るから気をつけてね。奴が持っている薬は本来大型のポケモンの治療に使うモルヒネ剤よ。そんなの受けたら並大抵の人間ではひとたまりもないわ、死亡する事例も昔あったから




サトシの頭にユカと名乗った少女の声が響いた。
それを聞いて、サトシは言われた通りに大人しく動きを止める。
とりあえず縛られている現状、彼女の言う事が得策だと判断した様だった。




ユカ「とにかく今は大人しくしてるのが得策よ、動かないで
51 名前:名無し 投稿日:2017/07/29 01:52 ID:obskhfmP
更新されてたし早起きしてラッキー(寝ていたとは言っていない)
52 名前:名無し 投稿日:2017/07/29 22:27 ID:syhcvkvB



足音が聞こえてきた。
カツン、カツンと靴音を響かせながら近づいて来る人間の気配をサトシは感じた。

足音が止まる。
すると、真っ暗だった空間に四角い光が出現した。





ジョーイ「あら……起きていたんですか?




ジョーイさんはサトシの前に腰を下ろしてニッコリと微笑んだ。
サトシはその笑みに戦慄を浮かべながらも、指示通り大人しく見つめ返すだけだった。




ユカ『呻いて声を出そうとして



サトシ「ンー!ンー!



ジョーイ「あら、どうしたんですか?今からガムテープを外しますけど大きな声を出さないで下さいよ?
53 名前:名無し 投稿日:2017/07/30 08:25 ID:TDAEpygf
支援!
54 名前:名無し 投稿日:2017/07/31 06:01 ID:M8WJYlFV
シエン
55 名前:名無し 投稿日:2017/07/31 10:50 ID:HAL7jKd3


言葉通り、何処かウットリとした表情を浮かべるジョーイはサトシの口に貼られたガムテープを勢いよく剥がしとった。




サトシは思わず声を上げそうになるのを必死に抑えながら、指示を待つ。




ユカ『体はちょっとは動かせるでしょ?手足が縛られて動きにくいと思うけど状態を起こして。ゆっくりよ、ゆっくり。慌てたメンヘラにまたスタンガンをくらったら逃げるタイミングを失ってゲームオーバーだからね




サトシは言われた通り、痺れる体に鞭打ってゆっくりと体を起こしてみる。
途中で、ジョーイの方からバチバチとスタンガンのスイッチを押して威嚇する様な音が聞こえてきた。




内心ビビりながらも、サトシは体を起こすことに成功し、次の指示を待った。
56 名前:名無し 投稿日:2017/07/31 22:30 ID:sGJT5C50



ユカ『よし……じゃあそのメンヘラ女の耳元まで口を近づけて



サトシ「!?



ユカ『ビビったら負け、ほら早く




サトシは言われた通り、虚ろな目をしたジョーイの耳元に口を近づける。
すると……それを確認してよしよしと声を上げたユカからとんでもない指令が舞い込んできた。




ユカ『こっからはアドリブだよ、そのメンヘラ女に対してこれでもかって位の愛の囁きをして。わかる?愛の囁き。例文、君は何て情熱的なんだ、結婚してくれ!とかさぁ



サトシ「っ!?



ジョーイ「……サトシさん……やっぱり私が嫌なの?嫌いなの?……そうだよね、こんな事されて好きになってくれるはず無いよね……




ジョーイの握っていたスタンガンがバチバチと音を鳴らしながら近づいてくる気配を感じた。
サトシの体中から冷や汗が流れ出てくる。



ユカ『ほらほら、ゲームオーバーまであと20センチだよ?




サトシはもう、なりふりなんざ構ってられないと半ばヤケクソに言葉を吐き出した。




サトシ「そんな事ない!こんな強引なアプローチで少し驚いたけど……君は何て情熱的で素敵なんだ!



虚ろだったジョーイの目が見開かれた。
その変化を見逃さず、サトシは一気に畳み掛ける。
57 名前:名無し 投稿日:2017/07/31 23:13 ID:sGJT5C50



サトシ「俺はこんなにも誰かに愛された事は無い!だからそれがすごく嬉しかった!君が運命の人だ、結婚してくれ!




ジョーイ「うっうぅ……



ジョーイはサトシの言葉を受け、とめどなく涙を流し始める。



サトシ「俺は今すぐ君の事を抱きしめたい……だけど、それは無理か……手足が縛られてるんじゃあなぁ……




ピクリと、涙を流していたジョーイの体が反応した。サトシはマズイ、白々し過ぎたか……と冷や汗を流していると……ジョーイが懐から小ぶりのメスを取り出し、構えてきた。




サトシ「!?



殺される!と目を瞑ったサトシに反して、ジョーイは彼の後ろ手に縛っていたロープをメスで切って外した。
足を拘束していたロープもそれで解除する。



突如自由となったサトシは、このまま逃げてやろうか……と光が漏れる出口に視線を向けようとするが、それをユカが遮った。




ユカ『出口に視線を向けたら殺されるよ、今メンヘラ女はサトシお兄ちゃんを試してるんだから。ほら、早く言葉通りにソイツを抱きしめないと……ゲームオーバーまで20秒。床に押し倒してキスをして



突然のキスをしろ、という指令にサトシは動揺して思わず声を出してしまった。



サトシ「えっでもーーーー




ユカ『喋らないで!未来予測が変動する。体もまだスタンガンの余韻で完全に回復してないし、そんな状態じゃあジョーイ試験で格闘術を学んでいるメンヘラに戦いを挑んでも負けるよ?



そんなユカの言葉を聞いたサトシはもう、ヤケクソだった。
メスとスタンガンを握ったままのジョーイを押し倒し、乱暴に唇を重ねる。
ジョーイは恍惚とした表情を浮かべながら、腕を背中に回して、サトシの口内に無理やり舌を絡ましてきた。



そんな目の前の少女は10人中9人が美少女だと言うであろうほど可憐な容姿だったが、サトシは気持ちが悪くて仕方なかった。
狂気染みた行動と言動を取る彼女が同じ人間だとは思えなかった。
邪魔になったのか、いつしかジョーイはスタンガンもメスも手から離し、床に落としていた。



……これは勝機じゃないのか?
確かに体はあまり動かないが、スタンガンを奪って相手の自由を奪えるのでは……そんなサトシの希望的観測はユカの一言で打ち消される。




ユカ『それはまだ無駄だよ。だって、サトシお兄ちゃんの後ろに、メンヘラ女の切り札がいるから




サトシはユカのそんな言葉を聞き、痺れる体でジョーイを抱き寄せながら、コッソリと背後を伺ってみた。
真っ暗な空間にボンヤリと浮かび上がる影……。
ポケモンマスターで豊富な知識を持っているサトシには、そのポケモンの正体が何なのか分かってしまった。



ユカ『ヤミラミ、かなり鍛えられてるね。それに殺気もビンビン、迷わず人も殺せるんじゃないかな?ポケモンはトレーナーに似るって本当だね

58 名前:名無し 投稿日:2017/08/01 20:17 ID:wezkddz2
支援
59 名前:名無し 投稿日:2017/08/01 22:01 ID:wezkddz2
面白い!支援!
60 名前:名無し 投稿日:2017/08/01 22:46 ID:TSyKfFaG


そんな……それじゃあ一体どうやってここから逃げればいいんだよ……とサトシは内心絶望する。
後ろには凶悪なポケモン。
この状況を脱する方法をサトシはいくら考えても捻り出す事が出来なかった。




ふと思い出して、サトシは腰を探って自分のモンスターボールを探したが……やはり全てジョーイに取り外されているようだ。
先程感じた勝機は最早サトシの心中には微塵も残されていなかった。




ユカ『その考えは間違ってないよ、貴方に勝機なんざ万に一つも残されていない。そう、今はただ待つだけ




……待つだけ?
サトシは思わず嘲笑を浮かべたくなった。
こんな状況で何を待てばいいというのだ。




ユカ『貴方がこの世で一番信頼しているのは何?家族?それとも友人?違うでしょ?ただ信じて待つの、貴方がこの世で最も信じるモノを




ザスッ……とメスを柔らかい肉に差し込む音が暗い室内に響き渡った。
サトシはその音と同時に、自分の手の甲から猛烈な痛みが走るのを感じ取る。




サトシ「ッ!?




ジョーイ「……さっき、腰を漁って……モンスターボールを探してたでしょ?……私……私信じてたのに!




今度は腹部からの猛烈な痛み。
サトシは視界の悪い状況の中で必死に目を向けると……自分の脇腹に突きささるジョーイのメスが目に入った。
今度は肩部。
そして、ふともも。



気づけばジョーイはサトシに馬乗りになって狂った様にメスを振るっていた。




ジョーイ「信じてたのに!信じてたのに!!



サトシ「か、ガハッ



サトシは口から血を吐きながら、霞んでいく視界で悪魔の様なジョーイを見上げていた。
もうどこを刺されているのだろうか……サトシの痛覚は失われつつあった。




こんな最期か……せめて、せめてあと一回……。
61 名前:名無し 投稿日:2017/08/01 23:11 ID:TSyKfFaG

アイツらと……もう一度……。




ユカ『貴方が信じている者は……貴方を信じる者よ。例えこの身尽き果てようとも、世界が砂塵に変わろうと……




ジョーイ「信じてーーー



突如メスを振るっていたジョーイが、サトシの上から後方のヤミラミがいた方向に吹き飛んでいった。
何が起こったのか分からず、サトシはかろうじて動く眼球だけで状況を探ろうとする。



すると……見覚えのある鳴き声と共に、視界の悪い部屋に飛び込んできたポケモンの姿が目に入った。



ベイリーフ「ベイ!ベイ!



ベイリーフだった。
サトシはその姿を見て、僅かながらに残った思考力で疑問を浮かべた。



何故俺のベイリーフがここに……。
ベイリーフは俺の手持ちには入ってなかった筈……。そんな事を頭に浮かべた後、サトシは大量の出血のせいか直ぐに意識を失った。


62 名前:名無し 投稿日:2017/08/03 08:13 ID:4o4Uik0N
支援!
63 名前:名無し 投稿日:2017/08/04 15:46 ID:lycCoiy5
支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援
64 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/04 16:06 ID:wLrUlPuO

情熱的な支援ありがとうございます。今夜は大分進めていきたいと思っています。
65 名前:名無し 投稿日:2017/08/05 09:22 ID:07VhIjOv
主の情熱的な支援にふいたww
66 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/05 11:18 ID:r0pIh7MM

……………………

…………

視点 サトシ




目が覚める。
と、同時に俺を襲うのは猛烈な喉の渇きと脱力感だった。
指一本動かすのにも気力が必要な状況で、俺は自分から流れ出た血液の量が膨大であった事を推測する。



……今どんな状況なのだろうか。
あのイかれた女は?……ヤミラミは?そうだ、ベイリーフもいた筈だ。
視界は真っ暗な部屋のままだ、あれからベイリーフか入ってきてどうなったのだろうか?





ユカ『確かめてみれば?




唐突にユカの声が響いた。
俺は言われなくともそのつもりだ、体を少しだけ傾けて部屋全体を見渡してみる。
……すると、そこには。




ユカ『あのボロ雑巾みたいに転がっているポケモンは何だろうね?



サトシ「あ、ああっ……ああ!!




ベイリーフが部屋の中央で血まみれで倒れていた。
その周りには同様に数匹のポケモンも倒れている、一対複数だった様だ、それでも相打ち……。
俺は動かない体に鞭打って、這いずりながらベイリーフの元に向かう。




ユカ『一対四でもご主人を救うために命がけて戦い、尚且つここまで来るなんて泣かせるね。ほら、かろうじてベイリーフは生きてる、虫の息だけどね。今から治療しても助からない……なら最期の言葉くらいかけてあげたら?




サトシ「だ、だ……め、だ

67 名前:名無し 投稿日:2017/08/05 12:34 ID:uMf3KcSt


俺はベイリーフの元にたどり着いた。
ベイリーフは呼吸というのには小さすぎる吐息を漏らしている。
そして全身は血まみれ、俺の存在に気づいたのか、弱々しいつるのムチが手元に伸びてきた。
それを俺は握りしめ、掠れた声を吐き出す。




サトシ「ぜ、ぜっ……たいに、死なせ、ない!




虫の息のベイリーフ、動かない体、どうしようもない自分が本当に情けなかった。




ユカ『ふーん……一つだけなら方法があるよ




脳内に響く救いの声。
俺は迷わずそれに縋り付く。




サトシ「た……のむ。な、んでも……するから。オレは……どうな、てもいい。こ、コイツは、ベイリーフだけは!




ユカ『ふーん、そっかそっか……なら仕方ないかな



俺はその時、脳内に響くユカの声が何故か嬉しそうに聞こえた。
そう……まるで全てが思い通りにいってはしゃいでいるみたいに。





ユカ『これから貴方達には、最終進化の儀というモノを施す……死ぬかもしれないけど、覚悟はいい?
68 名前:名無し 投稿日:2017/08/06 17:17 ID:nipP9g51
うおおぉぉぉー!!
遂にベイリーフちゃん人型になるのかっ!
これはもうサトシの正妻は決まったな!
69 名前:名無し 投稿日:2017/08/06 19:39 ID:WGdMOADf




…………………………

………………


視点 サトシ



サトシ「ここは……



気がつけば体が抱えていた複数の異常は消え去り、全くのベストコンディションの状態で俺は真っ暗闇の空間を立っていた。
真っ暗闇といってもただの空間ではない。
底のしれない、どこまでも続いているであろう虚無的な黒の空間だった。




暗闇ならばどこまで続いているのか分からないだろうと思われるかもしれないが、俺は何故か確信していた。
それは直感というよりも、この空間から感じる謎の少女と同じ既視感によるものだ。





不思議な感覚……そう感じると同時に、あたりにはまるでテレビのスクリーンの様に映像を映し出すシャボン玉が無数に浮かび上がり始めた。
何故か俺は……この光景にも確実な既視感を覚えていた。





ユカ「サトシお兄ちゃんは……なんであんなイかれたメンヘラ女が出てきたか分かる?




背後から唐突に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
振り返ると、俺の予想通りに幼い少女がにこやかに微笑んでいる。




サトシ「……俺が知るかよ!そんなことよりベイリーフは!?早く助けてくれ!




ユカ「世界を管理する神が死んだからだよ、幸福感で満たされて、信じられない程純粋で無垢だった神国の民達は世界から受けている悪意のオーラに晒され、段々とその心も失われていく。今後はもっとああいう人間が増えていくだろうね。本当に……神を殺した連中は罪深いクソだよ。ねぇ、お兄ちゃんもそう思うでしょう?




サトシ「おい!頼むからベイリーフをーーーー




ユカ「人にものを頼む態度じゃないなー。人に話を聞いて欲しい時はまず自分から聞かなきゃ。ほら、私の質問に早く答えて





サトシ「ぐ……何さっきから訳分かんないこと言ってんだよ!なんだ、よく分かんないけどつまり悪人達が増えるって事か?そんなの今までもロケット団とか悪の組織がいただろう!
70 名前:名無し 投稿日:2017/08/06 22:21 ID:fX1l9dbS


ユカ「ふふふっロケット団なんて……あんなのさっきのイかれた女と比べたらお遊戯会みたいなもんだよ。神のちょっとした悪戯心、どんな純真無垢な子供だってあるものでしょ?それは




サトシ「ああ、もうわっかんねぇよ!何が言いてぇんだお前は!




ユカ「確実に世界は悪い方向へ向かっていってる……貴方もさっき感じたでしょ、今まで感じた事がない様な剥き出しの悪意、殺意、狂気……これからはこういう事件が増えていく。私が死んで……神がもたらしていた民のお花畑の幸福感はいずれ消える。そして広がる悪意、伝染する絶望……神秘の消えた世界、その先に人類が待つのは殺し合いの歴史




サトシ「……



ユカ「貴方は選択しなければならない。昔の私みたいにこのまま悪意に満ちた世界に目を瞑り逃げるか……この身果てるまで絶望に抗うか




サトシ「そんなの知るか!



俺の言葉に、ユカは驚いた表情を見せた。
構わず言葉を続ける。




サトシ「俺は……俺の目の前で苦しんでるヤツを救うだけだ!それが今はベイリーフだ、頼む俺はどうなってもいい、アイツを助けてくれ!
71 名前:名無し 投稿日:2017/08/07 15:23 ID:82vASr21


ユカはニッコリと微笑みを浮かべた。
そして満足そうに頷いた後、再び口を開く。



ユカ「実に貴方らしい答えだね。ま、目の前のポケモンも救えなきゃ世界なんか言ってられないよね……周りに浮かぶシャボン玉を見てごらん、これはなんだと思う?




サトシ「あ?……これは




俺の周りを飛ぶのはまるでスクリーンの様に映し出されているシャボン玉みたいな物体。
その殆どに……俺の姿があった。




サトシ「ベイリーフの……記憶か




ユカ「お、察しがいいじゃん。そうだよ、これがベイリーフの記憶であり、魂。貴方は今からこの魂達を自分の魂とシンクロさせるの。でも、それにはーーーー




サトシ「……なあ



ユカ「ん?




サトシ「……早く始めてくれないか?
72 名前:名無し 投稿日:2017/08/07 22:23 ID:PezmG7AP



ユカは俺のそんな言葉に、クスリと笑いながら上目遣いで見つめてくる。



ユカ「始めるのは私じゃないよ、貴方の周りに浮かぶ球体……ベイリーフの魂、それを呼んでごらん。この創造世界では貴方とベイリーフの魂をシンクロさせる必要がある。ベイリーフは逆に貴方と同じ光景を目の当たりにしているはずだよ。



その言葉を聞いて、俺はユカから空中を浮遊するシャボン玉の様な球体に視線を向けた。
ユラユラとする球体は、俺の視線を受けてかピタリと動きを止める。




サトシ「……ベイリーフ、俺はお前を助けたい!この命に変えても!



返事は無い……しかし、何故か俺の言葉一つ一つで球体が呼応しているのを確実に感じていた。



サトシ「俺の所まで来い!絶対に俺がお前を助けてやる!



無数の球体が俺の体に向かっていき、吸い込まれていった。
それと同時に引き起こされる焼ける様な痛み、記憶、そしてーーーーベイリーフの奥底に眠っていた本当の想いが…………。


73 名前:名無しのst 投稿日:2017/08/08 10:37 ID:BNwHu8Bb
まさかのベイリーフwww
支援
74 名前:名無し 投稿日:2017/08/08 15:13 ID:OKzwUsWW
これベイリーフにサトシが疑心暗鬼とかなったら泣ける…
75 名前:名無し 投稿日:2017/08/08 23:19 ID:F2Upbinu




……………………………

………………



サトシ「か、かはっ……う、うう……



最悪な目覚めだった。
不意に覚醒した意識で取り戻したのは身体中から感じる激痛と、吐き気。
最近の、最悪な目覚め方しかしていない自分に対し、怒りすら湧いてくる始末だ。




しかし、その怒りも体の不調によって収束し、呻きによって放出される。
そんな最悪な状況の中で、俺はふとベイリーフの事を思い出して周囲に視線を向けた。




サトシ「……え、え?



視線の先……というより、目と鼻の先だった。
そこにスースーッと寝息を立てながら眠る、見知らぬ少女の姿があったのだ。
サイドテールに纏めた髪、華奢な体、透き通る様な白い肌……その少女は何故か始めて見たはずなのに、妙な既視感と親近感があった。



それはまるで……あの時の謎の少女と同じ様な。



ユカ『誰だと思う?



ユカの声が響く。
俺はその言葉に、半ば反射的に返答した。



サトシ「……俺はコイツを知ってる



ユカ『ふーん、だから誰だと思う?



サトシ「……だけど、分からない……誰なのかが
76 名前:名無し 投稿日:2017/08/09 10:28 ID:FJb9eSe5
しえーん
77 名前:名無し 投稿日:2017/08/09 22:26 ID:yPIy5enP



ユカ『なにそれ、分からないのに知ってるの?




サトシ「……




ユカ『ふーん、まるでこの世界そのものだね




サトシ「……はん?




ユカの言葉に俺は疑問を込めたため息の様なモノを漏らした。
それに対し、ユカは何故か得意げな声音で続ける。




ユカ『貴方はこの世界に生きていても、どうやって生きているかは知らないでしょ?分かってるようで、知らない。そんな事はこの世界にはごまんと存在するんだよ




俺は数瞬の時を経て、ユカの言葉に心底ナルホドと関心してしまう自分に気がついた。
なんせ、現状で脳内に語りかけてくる訳のわかんない女が存在するんだ。
納得しないでどうしろっていうんだ。




ユカ『おや、眠り姫がもうすぐ起きる頃だよ




ふと、ユカが呟く様にそう口にした。
その言葉通り、俺の目の前にいる少女は軽く声を漏らしながらゆっくりと目を開けた。




少女「ん……んん……ん?




まだ、寝ぼけている様なトロンとした目でその視線は俺を捉えていた。
俺は言葉を発しようと口を開こうとするが……何故だろうか、喉元まで出掛かった言葉が震えて絞り出す事も出来なかった。




震えて?
なんで俺は震えているんだろうか……別に寒いとか恐怖を感じているとかでは無い。
目の前の少女に対して、何故か言葉が発せないのだ。……なんだか、顔も熱い気がする。



……どうしてだ、女の子の顔を段々とマトモに見れなくなってきた。


78 名前:名無し 投稿日:2017/08/09 23:29 ID:FJb9eSe5
お、お、お??まさかまさか?まさか?w(うるさい)
79 名前:名無し 投稿日:2017/08/10 19:39 ID:BEww9H5z



ユカ『あ……言い忘れてたけど



突然に響くユカの楽しそうな声。
今までも、そうだったが……彼女のその次の言葉は特段に理解する事が出来なかった。




ユカ『貴方の消去されていた筈の記憶は、私がバックアップを取っといたんだー。その中でも一番面白そうな〝思春期の恥じらい〟ってのをいい機会だから再アップデートしてみたよ。それにしてもミカちゃん、奪う必要の無い男の子として最重要な感情をお兄ちゃんから奪っちゃうなんて……キャハハ!ミカちゃんは本当はサトシお兄ちゃんの事好きなんじゃないの?





サトシ「は?消去?……思春期?お前……何言って……




少女「サトシ……サトシ!?




目の前の少女が突然に声を張り上げ、俺は驚いて我にかえる。
少女は勢い良く立ち上がり、寝転んだままの俺を見下ろす様な形でジーッと見つめてきた。




真っ暗な部屋の中だが、ボンヤリと浮かび上がった少女の全体像は……服を着ていなかった。
まるっきり裸の状態だ。
何故か俺の顔が熱くなる。
呼吸も乱れ、息がしにくくなった。



……そんな事はつゆ知らず、少女は俺にいきなり飛びかかって腹に顔をスリスリと埋め始めた。



少女「サトシ!サトシ!サトシ!サトシ……




サトシ「!?ッ痛ってーよ!



顔を埋められ、俺の中に言葉に表せられない様な感情が湧き上がったのは一瞬だった。
不幸か幸か、メスで刺された痛みがダントツで勝り、妙な感情は一瞬で拭い去られる。




少女「?……どうしたの?




サトシ「……腹だよ腹!ケガしてんだ!




少女「……うわ!大変!




少女は埋めていた顔を上げて、自分の顔に付着した俺の血液を手で確認して大きな声を上げる。
それでアタフタとし始めた少女に対して、何故かユカの声が脳内に響いた。




ユカ『ベイリーフちゃん、慌てないで聞いて。貴女は今サトシを治療できる能力を保有している筈だよ



サトシ「は?……ベイリーフ?



ユカの突然のベイリーフという言葉に、更に俺は頭の中で疑問が飛び交う。
さっきから訳の分からない事が多すぎて頭がパンクしそうだった。



少女「ユカ!?でも……治療って……どうすれば



ユカ『ベイリーフちゃん、光合成をイメージしてごらん。相手からエネルギーを吸収するんじゃなくて、分け与えるイメージだよ



少女「分かった!やってみる!


更に驚くべき事に、この少女は俺にしか聞こえない筈のユカの言葉に反応をしめしたのだ。
しかも、ユカもこの少女に対して喋りかけている様だった。



サトシ「!?……お、お前……この声が聞こえるのか?
80 名前:名無し 投稿日:2017/08/11 07:34 ID:wZrnqxOC
メガニウムになってないのに最終進化ってなんか不思議w
81 名前:名無し 投稿日:2017/08/13 21:16 ID:aduV3HFm



少女「待っててね、サトシ!今すぐ楽にして上げるから



少女は俺の言葉には答えずに、血の滲み出る腹部に手を当てて何やら目を瞑り始めた。
すると……その当てていた手が淡く光り始める。




サトシ「ッ……コレは?




温かみのある黄色い光だった。
何だか熱いような……痒くなるような不思議な感覚だ。
暫くすると少女の手から光は消え、俺の体から離れていった。




俺は全くと言って良いほど、消えてしまった腹部の痛みに驚きながら体を起こす。
すると……少女は満面の笑みを浮かべながら俺の顔を真っ直ぐ見つめていた。




少女「治って良かったね、サトシ!



サトシ「君は……一体何者なんだ?




少女「えっ!?




少女は俺の最もな疑問に、顔面蒼白になりながらプルプルと震え始める。




少女「もしかして……私の事忘れちゃったの?




サトシ「え?……以前どこかで……会ったのかな?




少女は堪らずといった様に立ち上がって走りだす。
その瞳には……涙がこぼれていた。




サトシ「ちょっと君!



少女「サトシのバカ!いくら長い時間会ってなかったからって!
82 名前:名無し 投稿日:2017/08/13 21:35 ID:aduV3HFm



ユカ『ちょっと待って、ベイリーフちゃん。それは誤解だから




突然脳内に鳴り響くユカの声。
その声が聞こえた途端、少女は動きを止める。
やはり……ユカの声が彼女にも聞こえている事は間違いなかった。



少女「……どういう事?



ユカ『貴女は今、最終進化によって人の姿に変わっている。だからベイリーフちゃんの時の姿しか知らないサトシは貴女が分からないのよ



少女「……?



ユカ『後ろに鏡があるから自分の今の姿を確認してごらん。そしたら意味が理解できる筈だよ



少女「え?鏡?



少女は後ろを振り返って、ピタリと動きを止めた。
そして……驚愕の表情を浮かべたまま静止する。




少女「コレが……私!?




ユカ『そうだよ、今の貴女はだれがどう見ようと人間にしか見えない……いや、人間でしかないと言う方が正確かな?

83 名前:名無し 投稿日:2017/08/14 22:25 ID:ogGwZJlz
支援
84 名前:名無し 投稿日:2017/08/16 18:26 ID:gfgwxkSL


ユカがベイリーフという謎の少女、鏡を見て驚く仕草、消えたベイリーフ……。
俺は……今までの一連の流れから、全くといってあり得ない仮説を思いつきながら、ユカに対し低い声で説明を求めた。




サトシ「おい……一体どうなってやがる




ユカ『とりあえず場所を変えようか。そうだねーこっからは少し遠いけどサトシお兄ちゃんの家あたりが妥当かな。そろそろ貴方をひそかに監視していた公安がポケモンセンターに長居しすぎているのを不審に思って調査に乗り出してくるから




サトシ「えっ!?俺を監視していたって?




ユカ『とりあえず……うん、直径200メーターくらいが限界かな。そこまでテレポートするからそっからはリザードンに乗って家まで帰ってね




サトシ「聞けよ!
85 名前:名無し 投稿日:2017/08/17 12:41 ID:QMTKAxRO
おおー話が進んで来たな!!
支援!
86 名前:名無し 投稿日:2017/08/17 22:47 ID:S85NjGdB

ユカ『今、公安に見つかるわけには行かない。だって……ゲームはまだ、始まったばかりなんだから



ユカの言葉を聞いたとたん、目の前が真っ白な閃光に包まれた。
俺の視界が完全に白に染まる瞬間に、サイドテールの謎の少女と目が合う。
その少女の目は……俺の知っているアイツの確かな面影が残っていた。




………………………………

………………



セレナ「えっ、ここに本当にポケモントレーナーのサトシさんが来ていたの?


朝日の登り始めたニビシティーのポケモンセンター前で、セレナは子供達と談笑していた。
その子供達は朝早くから宿泊所から起き出して旅へと出発しようとしている少年少女のグループだった。

セレナはかつて、自分もサトシ達と旅をしていた事に想いを馳せながら子供達と会話を続ける。

少年「本当だよ!僕なんか被っていた帽子を貰ったんだ!


少女「食堂で一緒にご飯食べたし、無茶苦茶カッコよかったよ!でも……ジョーイさんがいうには何か急用が出来て帰っちゃったらしいの



少年「いいなぁ、お前は帽子貰えて……俺サイン欲しかったなー……




セレナ「へー、でもサトシさんってカントー在住なんでしょ?ニビシティーのポケモンセンターに来るくらいだから凄い近所なのかも、また出会えるチャンスはあるわよ




少女「そうよね!また逢いたい!



少年「ハッ……もしかしたら近くのジムにいる可能性も……こうしちゃいられない、早く行こうぜ!



グループの中の一人の少年が、ジムの方向へと走り出した。
その待ちきれないといった仕草にサトシを連想させ、セレナは思わず笑みをこぼす。



少女「まだジムは空いてないよ!?



少年「ダメだ、聞いてない。追いかけよう



風のように駆けていった少年達をひとしきり見送った後、セレナはフーッと息を吐いて振り返り、ポケモンセンターの方向を見つめた。



セレナ「さて……どう思います?部長



スイレン『ジョーイが子供に言った言葉は嘘だね、サトシがポケモンセンターに入ってから全周囲を熱源感知機まで持ちだして警戒してたんだもん、何か裏があるのは間違いないよ



セレナの耳には小型のインカムが入っていた。
目立たないように肌色に塗られ、尚且つ高音質なそれからはスイレンの甲高い声が彼女の鼓膜に響き渡っていた。



セレナ「……部長、私はこのまま監視任務を継続するんですか?




スイレン『いや、動いてもらう。膠着状態は破ったもん勝ちだ、場合によっては監視対象のサトシと接触しても構わない。センターへの潜入を許可するよ。ただし深入りはしない事、分かった?




セレナ「……もし、事件性のある事にサトシが巻き込まれていた場合は?




スイレン『実力行使での保護も視野に入れといて。公安手帳は出したらダメだよ、分かっていると思うけどもしサトシに見せるとしたら偽造したジュンサー手帳ね
87 名前:名無し 投稿日:2017/08/18 11:55 ID:rKw7SGAi
好きですねぇ〜
88 名前:名無し 投稿日:2017/08/19 11:40 ID:x4vlXyd9
スキゾウさんこんにちは

89 名前:名無し 投稿日:2017/08/19 20:36 ID:bfOOISW8


セレナ「分かりました、潜入します




セレナは頰を叩いて気を引き締めると、スカートの中に隠していた小型プラズマガンの安全装置を外した。




……………………………

………………



セレナ「……ラッキーだけ?ジョーイさんは何処?



ラッキー「らき!



センターの受付にはラッキーしかいなかった。
セレナがジョーイの所在を尋ねると、ラッキーは能天気そうに職員専用入り口を指さす。




あの中という事か……とセレナは無言でその扉を開けようとすると、ラッキーが慌てた様にそれを遮った。




セレナ「……ジョーイに誰も通すなと言われているの?



セレナが尋ねると、ラッキーはそうだと頷く。
セレナはため息を吐きながらジュンサーを示す警察手帳を見せた。



ラッキー「らき!?



セレナ「このセンターのジョーイにはいくつかの容疑がかかっている。下手に止めれば貴女も共犯でしょっぴくわよ




ラッキーは怯えた表情を浮かべながら、ポケットから職員専用扉の鍵を出した。
セレナは半ばそれを奪い取る形で鍵を乱暴に開ける。
たどり着いた先は廊下だった。
真っ直ぐ五メートル位に続く廊下、両サイドの壁には扉は無い。
あるのは廊下の先にポツンとある壊れた木製の扉だけだった。
扉にはまるで何かのポケモンが突進して破った様な跡がついていた。




セレナ「……



スカートから小型のプラズマガンを取り出す。
セレナは壊れた扉の部屋に入った途端に漂いだした異臭に気が付いた。



セレナ「この匂い……薬品と生ゴミが混ざった様な……
90 名前:名無し 投稿日:2017/08/20 22:28 ID:IBJDXqNY

中は真っ暗だった。
視界が効かない環境では余計異臭が際立つ様な気がした。



スイレン『内部はどんな様子?




ふいにスイレンの言葉がセレナの鼓膜に響く。
セレナは暗い室内に懐中電灯を照らして、思わず息を呑んだ。



セレナ「……グチャグチャです、まるでハリケーンでも過ぎさったかの様な……血痕の跡も見受けられます、倒れているジョーイと思しき女性が一名、重症であろうポケモンが現時点で五匹は転がっています




スイレン『サトシは?いないの?




セレナ「いません……倒れているジョーイは意識を失っているだけの様なので、警察病院に保護した後に聴取したいと思います





スイレン『それじゃ時間がかかり過ぎるし、うーん……状況が意味不明すぎる。……よし、しょうがない。じゃあ面倒だけどテレポートでそっちに行くよ、座標と高度を示して




セレナ「あ、了解です……えっと




セレナはスイレンの言葉を聞いた後、腰のポーチから高度測定器を取り出した。
テレポートは初めて行く場所の場合は座標と高度をきちんと示してやらねば障害物や壁にめり込む可能性がある為だ。
もしそうなれば大ケガではすまなくなってしまう。
セレナは慣れた手つきで機械を弄った後、報告した。
91 名前:名無し 投稿日:2017/08/21 05:49 ID:Hy4Z1u1C
5匹のポケモンって、ヤミラミだけじゃなかったんだ
92 名前:名無し 投稿日:2017/08/24 20:30 ID:Wpxcn58o
追いついたー
93 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/27 18:15 ID:zXGr1Few
忙しくてなかなか書けていませんでした。今夜は0時くらいに結構話を進めようと思います。
94 名前:名無し 投稿日:2017/08/27 20:55 ID:Eq0wUcLP
座標ってマイクラ的な?
基準が有るの?
95 名前:名無し 投稿日:2017/08/27 21:27 ID:A8iPWIKO

仮に自分が知らない土地にテレポートする想像をしてみて下さい。もしかしたら目標地点に障害物や壁があれば大怪我に繋がります。その為その場所にいる人物にテレポートしても安全な座標、高度、状況などを示してもらうわけです。
96 名前:名無し 投稿日:2017/08/27 21:55 ID:A8iPWIKO



スイレン『了解、およそ3秒で到達するから全周囲警戒しながら待機して




セレナは言われた通り全周囲を警戒するように壁を背にして銃を構えると、ゆっくりと目を閉じた。
やがて瞼の先で沸き起こる強烈な閃光が過ぎ去るのを感じると、今度は素早く瞳を外気に晒す。




スイレン『お待たせ、早速残留思念の解析でも始めようかな。警戒は宜しく



セレナ「……了解です




セレナは目の前で不敵な笑みと共に現れたスイレンの言葉に頷くと、拳銃を構えながらスイレンを守るように近くに寄った。
スイレンはそれをニッコリと見届けると、瞼を閉じて淡く光る黄色い光を体から発光させ始めた。




……残留思念の解析。
それは万能型の能力者が行う事の出来る特有のスキルだ。
万能型能力者とは、本来はポケモンが使う技の特性……電気、炎、水、草など他にも多様なタイプの技を人間で使う者を指す。
しかもそれはポケモンよりも強力、使用者によっては伝説のポケモンクラスの超常的な力を持つ人間もいる。



現在、その万能型でそれほどまでの能力を保有しているのを確認されたのは死亡した創造主、ホワイトホールのミカ、死亡した楽園協議会の能力者、そして公安のスイレンだけだ。



本来能力者の能力は一系統である。
一系統の能力者は割りと一般にも認知されているの者が多い。
ジムリーダーや四天王の中にはテレキネシスや未来予知出来るトレーナーもいるからだ。

97 名前:名無し 投稿日:2017/08/28 17:21 ID:C7NO6kRt
文章力凄いですね!
話もとても面白いです。
支援!
98 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/28 20:19 ID:DfZJS6GY
支援ありがとうございます。
昨日は寝落ちしてあんまり進める事が出来ませんでした……今日は頑張ります。
99 名前:名無し 投稿日:2017/08/28 22:46 ID:8iJpYLON




そんな公安マニュアルの解説をセレナは自分の脳内に響かせていると……不意にスイレンの糸の切れた様な笑い声が鼓膜を揺さぶった。




スイレン「ぷ……クスクス……あは、あははは!!




セレナ「……突然なんですか?




セレナの慣れた様子の冷めた問いに、スイレンは笑いながら返答した。




スイレン「いやーまさかこんなイレギュラーな事態が起こっていたなんて……クスクス、分からないもんだねー人生って




セレナ「は?




スイレン「残留思念で全て分かったよ、ここで何が起こったのか……何が起ころうとしているのか




スイレンはセレナに向き直り、満面の笑みを見せた。




スイレン「本部に帰ろうか……タケシ署長が聞いたら喜ぶと思うよ。ゲームはまだ続いていたってね




……………………………

……………

08:05
朝日が完全にその姿を見せ、地球に存在する生命の活動を肯定するかの様にサンサンと陽光を照らし出す中……。
その光を一身に浴びた、橙色の古傷が目立つリザードンが悠々とマサラタウン上空を飛び回っていた。



そのリザードンの背中には二人の人影。
サトシとポケモンセンターにいた謎の少女だ。




謎の少女は、リザードンの首を掴んでバランスを取るサトシに思いっきり抱きついて甘える様に顔をスリスリと押し付けていた。
サトシは顔を真っ赤にしながらそれを押し退けようとする。
だが少女は中々離れず、むしろサトシが押し退けようとする度に力を強めて抱きつくのをやめない。



サトシ「……な、なあ……そろそろひっつくのをやめて欲しいんだけど




少女「♪サトシ〜
100 名前:名無し 投稿日:2017/08/29 22:27 ID:ueOQGMbK


少女はサトシの言葉には答えず、顔をスリスリと埋めるだけだった。
サトシはコホンと一つ咳払いをし、言葉を繋げる。




サトシ「お前……本当にベイリーフなのか?




顔を埋めていた少女の動きがぴたりと止まった。
少女はサトシの顔を潤んだ瞳で見つめながら言葉を絞り出すように口を開く。





ベイリーフ「どう……思う?




その瞳はベイリーフのものだった。
いや、ベイリーフしかあり得なかった。
サトシは密かにそんな言葉を心中に吐きながら、ため息と共に口を開いた。




サトシ「どうなってるんだよ……ベイリーフが人間になったり、脳内に喋りかけてくる女がいたり、監禁してくる頭のおかしい奴がいたり……




ベイリーフ「心配しないでサトシ!
101 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/30 19:42 ID:AoFC4A4I
今夜も書きます
102 名前:名無し 投稿日:2017/08/30 20:44 ID:OJe7D18t
今から夏休みの宿題タイムアタックする予定なのに…寝れねーだろ!
あ、寝なくて良いのか…
103 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/08/30 21:11 ID:AoFC4A4I


サトシがぼんやりと少女となったベイリーフを見ると……思わず背筋にゾッと悪寒が走る。
ベイリーフは信じられないくらいに残忍な表情を浮かべていたのだ。




ベイリーフ「今度サトシに手を出す奴がいたら……殺すだけじゃすませないから




サトシ「……ありがとよ。でも、まずはそんな状況にならない様に精々気をつけないとな




ベイリーフ「うん!




ベイリーフは満面の笑みを浮かべると再びサトシに抱きついた。
サトシはベイリーフに抱く複雑な感情を浮かべながらも、可憐な少女に抱きつかれて反応する自身の性を呪った。





…………………………

………………


サトシ「さて家に着いたわけだが……コイツは一体何の冗談だ?



サトシがリザードンをモンスターボールに入れながら実家の前で呟く様に言った。
実家の前には……明らかなにこちらを警戒する様子で視線を送っくる数人の男がいたのだ。
もちろん彼らとの面識はサトシには一切無い。



また面倒ごとか……とサトシがため息を吐いていると……ベイリーフがトテテッと駆け出し、実家に近づきながら口を開いた。




ベイリーフ「大丈夫、この人達は敵じゃないよ!むしろサトシを守ってくれる存在だから




サトシ「……守ってくれるだと?




ユカ『ベイリーフちゃんの言う通りだよー。彼らはカロス地域を根城とする組織、スレイブの戦闘員だよ




サトシ「……カロスだって?……何でそんな奴らが俺の家の前にいるんだよ?

104 名前:名無し 投稿日:2017/08/30 21:30 ID:0n5Q4Qyr


ユカ『ユカが呼んだの、魑魅魍魎が蠢く盤上のゲームに乗り出すためにね




サトシ「はあ……またかよ。いい加減身内ネタは勘弁して欲しいぜ。盤上のゲームだのスレイブだの……ベイリーフの件だってそうだぜ、俺からしたらもうパンクしそうな位に混乱してんだ。一体いつになったら全部説明してくれんだよ




ユカ『ここでするよ、お兄ちゃんの家で今スレイブの最高責任者がリビングにいるから説明を受けてね




サトシ「チッ……勝手に家に入りやがって




サトシは舌打ちをしながら玄関を通ろうとすると、ユカからスレイブと紹介された男達がそれを遮った。




男「待って下さい、中に入る前にボディーチェックを……




サトシ「ああ!?フザケンナ、俺の家だ!!




サトシが啖呵を切ると、ボディーチェックをしようとした男が耳のインカムを押さえて交信をしはじめた。短く頷くと、男がサトシの進行ルートから避ける。



男「許可が出ました、どうぞ……



サトシ「何が許可だ!



サトシはイラだった様子で乱暴に玄関を開けた。



105 名前:名無し 投稿日:2017/08/31 20:18 ID:KnEx1yk7
今夜も書きます
106 名前:名無し 投稿日:2017/09/01 20:29 ID:JsHbKHYH
はよ
107 名前:名無し 投稿日:2017/09/01 20:45 ID:KyJgBCez
今更だけど座標なら緯度経度高度の方が良い気がするな
108 名前:名無し 投稿日:2017/09/01 21:58 ID:5TjdsTRd



……………………………

………………


リビングに入り、サトシが最初に目にした光景は驚愕の一言だった。



ユリーカ「あ、やっと来たんだ。待ってたよ、サトシ



サトシ「……ゆ、ユリーカ?……何でここに?




サトシはリビングで数人の男を従え、ソファに座って踏ん反り返っているユリーカに面食らっていた。
何かさらなる言葉を吐き出そうとサトシが脳内であくせくとしていると、彼女の方から言葉がかかった。




ユリーカ「スレイブは私のよ、今回はユカから提案があってちょっと遠出してきたの




サトシ「……じゃあ、ここいらにいるガラの悪い連中のボスってのがお前って事か?
109 名前:名無し 投稿日:2017/09/02 15:18 ID:Mu8xsxKQ


ユリーカはサトシの言葉にニンマリと笑みを浮かべる。




ユリーカ「そだよー、すごいでしょ?




サトシ「……一体何がどうなってんだよ




ユリーカ「何言ってんの?サトシが勝手に全部忘れただけじゃん




サトシ「……は?




ユリーカの意味深な発言にサトシは思考が一瞬停止した。
ユリーカは構わず話を続ける。




ユリーカ「おっと、勝手にってのは間違いだね。だけどサトシが情けない弱みを見せたから記憶を失うハメになったんだよ?




サトシ「……俺がいつ記憶を失ったってんだよ……




ユリーカ「証明したげようか?




サトシ「証明?




ユリーカが隣にいる男に目線で合図を送ると、男は頷いて傍に置いていた大きなバックから何やら木のボードの様な物を取り出した。
男はそれを机の上に設置し、ボードの上に駒の様な物を並べ始める。




サトシ「……ボードゲームか?ふざけてるのかよ




ユリーカ「こっちは飾りだよ、実際にプレイするのはこれ




ユリーカはそう言いながらサトシに向かって携帯よりも一回り大きなデパイスを投げてきた。
サトシは危なげなくキャッチし、ユリーカを見る。




ユリーカ「今地方連合以外で主流な群団バトル指揮官用の育成ツールだよ。今はメディア化されて一般人がオンライン対戦でも楽しめる様なゲームになってる。サトシ、これで遊ぼ




サトシ「……遊ぼって……証明とやらはどうしたんだよ




ユリーカ「やればわかるから、さあプレイ、プレイ
110 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/02 19:11 ID:Mu8xsxKQ
忙しくて3日程更新は無理そうです、すんません
111 名前:名無し 投稿日:2017/09/03 06:22 ID:KFvcKlre
あんまり無理しないで下さいね
支援!
112 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/04 15:48 ID:ZqXesR4b
峠は越えました、今夜は書けます。
113 名前:名無し 投稿日:2017/09/05 18:38 ID:tzWuSxk6
主は寝落ちしたものと思われる笑
支援
114 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/05 18:54 ID:cXDmy0Rg
申し訳無いです……おっしゃる通り寝落ちしていました。今夜は……かけたら書きます。
115 名前:名無し 投稿日:2017/09/07 20:00 ID:K1sACTz3
支援
116 名前:名無し 投稿日:2017/09/07 20:51 ID:urTFqp8L
主起きてる?
117 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/07 20:54 ID:UhVxWU7u
今日はかろうじて起きてます!書きます!
118 名前:名無し 投稿日:2017/09/07 21:26 ID:UhVxWU7u



ユリーカに促され、サトシはしぶしぶデパイスを操作してなんたら育成ツールとやらを開いてみた。
それは携帯ゲームのアプリの様な簡単な仕様で、オンライン対戦と書かれている画面をタップすると、数千種類のポケモンが表示された。
どうやら選べるポケモンの種類と数を選定するらしい。




サトシ「これは……ポケモンバトルの疑似シュミレーションか?




ユリーカ「バトルと言っても、規模が違う。選べるポケモンは無制限、尚且つ道具も好きなだけ使っていい。言うならばこれは戦争だよ、二人の指揮者が奏でるポケモンという兵器を使ってのね




サトシ「……




ポケモンという兵器を使っての戦争。
サトシは昔の自分なら激昂していただろうと思うユリーカの発言をすんなり受け止めていた。



そのことにサトシは疑問を抱いていると……全てを見透かした様なユリーカが再び口を開く。





ユリーカ「そのサトシの抱いている感情への疑問は私の証明のひとつだよ。拭い去れない違和感、信じられない出来事の連続、消えた相棒、その理由。貴方は忘れてしまっているの……忘れてはならない事、貴方を忘れられない人の事さえも




ユリーカはそう締めくくると、腰をかけていたソファーから立ち上がりサトシに近寄ると。
サトシが手にしていたデパイスを取って、勝手にポケモンを選択した。




サトシ「……その話がどう、証明につながるんだ?




ユリーカ「繋がるわ、だってこれから思い出してもらうから




ユリーカはそう言うと自らが勝手に入力したデパイスをサトシに返した。
それを見て、サトシは驚愕に顔をひきつらせる。
119 名前:名無し 投稿日:2017/09/07 21:58 ID:K1sACTz3
いつも、気になる、後もう少しって所で話を切る主…焦れったい笑
支援
120 名前:名無し 投稿日:2017/09/07 22:40 ID:2WrqxHEf
↑本当にそれw
だから期待!
121 名前:名無し 投稿日:2017/09/10 10:50 ID:4OiN5f40
はーやくー
122 名前:名無し 投稿日:2017/09/11 13:41 ID:tJhg92mQ
支援
123 名前:名無し 投稿日:2017/09/13 13:55 ID:bn0zFOS1
サトシ「何処行ったんだよ……主
124 名前:名無し 投稿日:2017/09/13 19:06 ID:QBfWWucy
↑それか笑
125 名前:名無し 投稿日:2017/09/14 21:45 ID:WZJDaZuh
支援します。
頑張って
126 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/14 23:00 ID:GqjxcNkb
お待たせしました。
皆さん支援ありがとうございます、頑張って書きます。
127 名前:名無し 投稿日:2017/09/15 21:34 ID:ikNzhort




サトシ「これは……俺が世界大会に出た時のメンツのつもりか?……一匹全然覚えのないポケモンがいるんだが……




ユリーカ「そのポケモンこそがサトシの切り札だよ、サトシが無様に記憶を失う前のね




サトシ「切り札……だと?




デパイスに表示されていた六匹目のポケモンには……未確認ポケモン、ホウオウと書かれていた。




……………………………



数年前より関東地方で発足され、建築が進められていた地方連合教育学校。
広大な敷地には大会に使用できる程設備の整ったバトルドームが三つ、そしての国家研究所に劣らないラボが数十個設立され、完成していた。




莫大な予算と人員を必要としたこのプロジェクトは、エーテル財団を主体とした各スポンサーがバックについている。




そんな最新の学校である、地方連合教育学校は記念すべき第一学年の生徒となる入校者を募っていた。
それはポケモンマスターであったり、ドクター見習いであったり、アイドルであったり……多岐にわたる。
128 名前:名無し 投稿日:2017/09/15 22:02 ID:ikNzhort

その中には……学園の管理規則の設定の為に先んじて入校を求められた特待生達がいた。
エーテル財団のオーナー、ルザミーネの実娘のリーリエを中心とした生徒会である。




リーリエ「それにしても……先に入校した私達に『生徒会だけで校則と管理規則を作れ』だなんて……教育委員会は何を考えているのかしら




リーリエは完成されたばかりの学園の会議室の上座に座りながら呟く様に言った。
会議机には他にも生徒が余り無く座っていた。
リーリエの言葉に反応して一人の女子生徒が言葉をかける。




女子生徒「生徒会長、寮生の外出時間さえもこちらで設定される様に求められています……言い方が悪いかもしれませんが、我々の望む様に出来る分都合がいいのでは?




男子生徒「自分もそう思います、僕らの後に入校する生徒の為にも素晴らしい規則を作りましょう




男子生徒の言葉にリーリエはピクリと反応した。




リーリエ「素晴らしい規則ですか……例えば?



男子生徒「……えーと、規則が厳しすぎない自由度の高い規則……ですかね



まさか返答を求められると思っていなかったであろう、男子生徒が慌てながらも返答する。
リーリエは不機嫌そうにそれを聞いた後、軽く頷いて席から立ち上がった。
129 名前:名無し 投稿日:2017/09/16 07:15 ID:idIX87oG
ホウホウ持ってたのか
130 名前:名無し 投稿日:2017/09/17 18:20 ID:c4zRmiZ8



リーリエ「私たちがすべきことは山積みです、学園側が何を考えているにしろ平穏を保つ為には施行する規則には一ミリの抜けがあってはなりません。例えばです、トレーナー同士のバトルについても念密に規制しなくてはならないのです




リーリエの言葉に静まる室内、そんな中で一人の勇気ある生徒が言葉を絞り出した。




男子生徒「ば、バトルの規制とは……トレーナー学科まである学校なのにバトルを規制されるんですか?



リーリエ「勿論バトルをするなとは言いません。ですが知っていますか?年間でバトルにおける公共物の破壊で、地方連合が抱える修繕費は莫大な物となっています。バトルする場所、頻度は授業とその他の定めた場合以外は規制すべきです





男子生徒「な、なるほど……




女子生徒「でもそんなのって……バトルしなきゃポケモンは強くなれませんよ。折角強い相手と戦いたくてトレーナー学科に入ったのに……





リーリエ「バトルとはポケモンの強さだけが決め手となるモノなんですか?違います。トレーナーの裁量、戦術とポケモンとの信頼があって初めて勝てるモノなんです。そういった教育方針なのはあらかじめ入校した時に聞かされている筈ですが?




リーリエはトレーナー論を語りながら一人の少年を思い浮かべていた。
ピカチュウを肩に乗せ、強敵も恐れずに二人で立ち向かっていく姿を。




再び静寂が支配した室内でリーリエは笑みを浮かべていた。
それは輝かしい思い出に浸る純粋な表情だったが、生徒達はまるで不敵な笑みを浮かべる独裁者でも眺めるような心情を抱いていた。
131 名前:名無し 投稿日:2017/09/17 18:42 ID:c4zRmiZ8



リーリエ「いつだって平穏は完璧な法と規則によって生まれます。私たちは試されているのですよ、完璧な法と規則を作った地方連合委員会から未来を司るに足りる人材かどうか……その為の特待生だと私は思います





ーーーーーーその日。
リーリエ主導のもとに、生徒会によって法は施行された。
学園における平穏と安寧をもたらすであろう完璧な規則は委員会も舌を巻く程だったという。




細やかな規則も開校までに設定され、満を辞して学園は華やかな門出をきった。
誰もが羨むはずの完璧な学園、そこに待つのは若人達による輝かしい未来……。
しかし、そこに紛れこんだ少数の生徒達によって、地方連合を揺るがす大事件が巻き起こるとは……誰も考えもしなかった。
132 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/17 18:48 ID:c4zRmiZ8

話がややこしくなってきたので現時点の登場人物、組織一覧

組織 スレイブ
創造主 ユカ
ベイリーフ
ユリーカ

組織 ホワイトホール
ヒカリ
師匠 ミカ
ピカチュウ
レッド
ムサシ
コジロウ
ニャース

組織 公安
タケシ
スイレン
ヒカリ

組織 対外部門
シゲル
マオ

組織 楽園協議会
カスミ

組織 学園生徒会
リーリエ 生徒会長


目標、アニメで出た全キャラ出したい。
133 名前:夢幻のメロディー 投稿日:2017/09/17 19:53 ID:ppMbRfnj
公安にヒカリが入っていますよ。
134 名前:名無し 投稿日:2017/09/18 16:31 ID:Rx8Ir4ML
ベイリーフって組織に入っちゃったんだ…笑
アニメキャラだけじゃなくて映画キャラも欲しいなー
自分的に水の都の護神のカノンが好きです。はい。だって、サトシ君にキスしましたもん笑
135 名前:名無し 投稿日:2017/09/18 21:04 ID:rdIWPvgz



……………………………

………………



デパイス上に点表示する一つの物体……速度的に飛行ポケモンであろうがサトシはそれが一体どんなポケモンであろうか想像もつかなかった。




サトシ「おいユリーカ……本当に記憶を失う前の俺はこんなデパイスだけで敵がどんなポケモンなのかを判別出来てたのか?



ユリーカ「そうだよー、サトシは地方連合じゃない群団バトルの本場の海外で実戦経験を積んで……途方も無い経験と知識を元にデパイス上のポケモンを判別してたの。今私がサトシに差し向けたポケモンは何だと思う?予想でもいいから言ってみて




サトシはこめかみに指を置いてから少し考え込み、答えを口にした。




サトシ「カイリューか……リザードンかな




ユリーカは一瞬驚いた表情を浮かべた後、思い切りニンマリと笑ってみせた。
136 名前:名無し 投稿日:2017/09/18 21:16 ID:rdIWPvgz



ユリーカ「なんでそう思ったの?




サトシ「点の動く速さかな……リザードンクラスの飛行ポケモンと同じくらいの速さだと思ったから




ユリーカ「へー……これは案外記憶を取り戻す前のサトシでも楽しめちゃうかもね



サトシ「おいおい……ゲームとは言え、ポケモンマスター相手に随分と強気だな



ユリーカはサトシの言葉にこれ以上ない程笑みを浮かべた。




ユリーカ「サトシがポケモンバトルのマスターなら……私は群団バトルのマスターだね




サトシ「……何?




ユリーカ「言ったでしょ、このゲームはオンラインで一般開放されているって。それは何故か?軍隊が優秀な指揮官をスカウトする為なの。そんな実戦的なゲームのオンライン上でランク世界一位の座に座り続けている存在……




サトシ「ま、まさか……




ユリーカ「私だよ〜




突如猛スピードで出現した点表示のポケモン達にサトシ側の陣営は隊形を崩される。
サトシは必死に挽回しようとポケモン達に後退の指示を出すが、後方から迫っていたユリーカのポケモン達にアッサリと蹂躙されてしまった。



ゲームが始まってから数分……ユリーカはいとも簡単に勝利を手にした。
137 名前:名無し 投稿日:2017/09/18 21:39 ID:rdIWPvgz




ユリーカ「まあまあかな、意外と持ちこたえてみせたねサトシ




サトシ「チッ……何処がだよ、一瞬でやられちまったじゃねーか




ユリーカ「いやいや、普通素人が私を相手にしたら一分持たないって。世界王者相手に五分も持ったんだから大したモンだよ




サトシ「俺も一応世界王者なんだが……




ユリーカ「地方連合だけの狭い世界でしょ?地球規模だったらもっとえげつないポケモン使いがいるよ




ユリーカの辛辣な言葉に、サトシは帽子を深くかぶり込みながら落ち込んだ様子で返答した。




サトシ「ったく……言ってくれるな。ていうかユリーカ……そろそろ説明してくれないか、俺が聞きたい事を



ユリーカはサトシの言葉を聞き流すようにニンマリと笑いながら返答する。



ユリーカ「サトシ……負けたんだからバツゲームね




サトシ「……無視かよ




ユリーカ「勝てたら説明してあげても良かったんだけどね。説明は私に勝てるようになるまでお預けね
138 名前:名無し 投稿日:2017/09/22 19:59 ID:fAxBiCQl
支援!
いつも楽しみにしてます!
139 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 12:06 ID:Vs2uDKFH


サトシ「……俺は、いつになったらーーー




ユリーカ「あ、もうこんな時間か!テレビつけて




サトシの言葉を遮るユリーカの発言に、隣に立っていたイカツイ男がリモコンを手に取りスイッチを押す。
ちょうど何かの実況をしている様だった。
興奮した様子のレポーターが早口でまくし立ている。




『本日開校された初の地方連合指定学校、通称ポケモンハイスクールでは政界の各セレクション著名人からポケモン業界の有名人が大勢集まり、ポケモンバトル世界大会時の様な賑わいをみせています!



映し出された映像には広大な敷地を持つ学園と、多数の人間でお祭りの様な騒ぎになっている校内だった。
カメラの画面が切り替わる。
ライブ映像だ、現在は体育館らしき場所で入学の挨拶を校長らしき人物がしているようだった。



サトシ「これは……メールで来てた学園か




ユリーカ「はい注目!気になるサトシのバツゲームは〜なんと、この学園に入学してもらいまーす!




ユリーカの突然の宣言、サトシは当然のように驚きながらも声を上げる。




サトシ「え!?ちょっと待ってくれ!




ユリーカ「何?何が問題なの?




サトシ「……どうせ分かってんだろ?俺はピカチュウを探しているんだ!学園なんか行ってられるか!それにお前ら……色々知ってる様な口ぶりだったよな。頼むから教えてくれ、ピカチュウはかけがえのない相棒なんだ!




ベイリーフ「……




ユリーカ「もう、負けたんだから教えないって言ったじゃんか。勝手なんだからサトシは……しょうがないから大ヒント、ピカチュウはこの学園にいるよ。現在の所有者と一緒にね




サトシ「な!?げ、現在の……所有者?




ユリーカ「そうだよーとにかく学園に行けば全て分かる!……まあ、サトシの手腕しだいだけどね
140 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 12:58 ID:Vs2uDKFH




ユカ『おやおや学校かぁ……二千年前以来だね




ユリーカ「入学願書も出しちゃったし




サトシ「……ピカチュウは、その……今の所有者ってのに、捕まっているのか?




ユリーカ「ぷっ世界最強クラスのピカチュウが簡単に捕まると思う?もしかしたらピカチュウは喜んでサトシの前から去ったのかもよ。一体何があったんだろうね、サトシが記憶を失う前に……




ニヤニヤとしながらサトシの顔を覗き込むユリーカ。
それを見ていたベイリーフは、決意に満ちあふれた様子で拳を握っていた。





………………………………

………………



トキワシティー、公安事務室。
そこにいるのは何時もの顔ぶれだ。
スイレン、セレナ、そして何故か対外部門のマオがいた。




セレナ「……すみません、もう一度言って頂いてもよろしいでしょうか?




スイレン「もう、わからなかったらメモをちゃんと取りなよ、そんなんじゃあ部下失格だよ?




セレナ「明日からポケモンハイスクールに入校しろ、だなんて言うから聞き間違いだと思ったんですよ!サトシの監視任務はいいんですか!?




スイレン「分かってるじゃん、なら話は早いね。荷造り出来た?




セレナ「今聞いたばかりでしょうが!?もういいです!行けばいいんでしょ、行けば!!




マオ「ハハッ♪セレナちゃん今日もキレキレだねぇ




ソファーに寝転びながらのマオの言葉。
セレナは不快そうに振り返って口を開く。




セレナ「……大体なんでマオさんが公安の事務室にいるんですか?




セレナの言葉に、マオはよっこらせと身を起こしながら答えた。



マオ「そりゃ、私も行くからだよ。公安から聞かされた創造主やら能力者やらのトンデモ話のせいで署長の頭がパンクしちゃってね〜。対外部門は現時点の情報力が公安より不足しているし、直近の上層部はスパイだったとかで信頼も落ちててね、事が事なだけに警察同士いがみ合ってる場合じゃないから対外部門は公安に全面的に協力する事にしたの
141 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 13:13 ID:Vs2uDKFH




スイレン「まあ、対外部門もどういう風の吹きまわしかしらないけど、使えるものはイワンコでも使う……それが公安だから事務室の立ち入りを許可し、雑用として使ってる事にしたのだよ、セレナ君。ちなみに学園にはサトシも入学願書を提出したらしいから監視も兼ねて行ってもらうよ




セレナ「あ、サトシも……え?サトシの監視を兼ねてって事は……サトシは私が学園に行く理由のメインでは無いという事ですか?




スイレン「その通り




マオ「冴えてるな〜ウチに欲しいよ




セレナ「でもサトシって……記憶を失って、ホワイトホールにいるピカチュウの事をずっと探しているんじゃあ……




スイレン「そこなんだよ、セレナ捜査官。そもそもサトシの入学願書を出したのはサトシ本人じゃなくてスレイブと言われる組織の人間らしいよ




マオ「スレイブっていったらカロス地域を根城とする比較的新しい組織集団だねー。表立って何かやらかした事はないけど規模は急速に膨れ上がりつつある、不気味な集団。ネットとかコンピュータにも強い奴ららしいよ
142 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 13:28 ID:Vs2uDKFH



スイレン「そしてそのスレイブが工作員の報告でサトシ邸の内部にいるそうだよ。サトシと一緒にね



セレナ「そのスレイブって組織……一体何者でしょうか?




スイレン「ふふっ……情報ではね、サトシ邸でこの間開かれたパーティーのメンバーがいたらしんだけど……その人物ってのがカロスの人間なんだって。写真見たい?



セレナ「え……か、カロス?



回答を待たずにスイレンは工作員の撮影した写真を見せる。
そこには……イカツイ男達に囲まれたユリーカの姿があった。




セレナ「……元、旅仲間です




スイレン「ふーん、一体何をやらかそうとしてるんだろうね、この子は




セレナ「……この子には私達と一緒に旅した兄がいるんですけど……もしかしたら




マオ「兄弟ぐるみかもね〜
143 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 16:43 ID:Vs2uDKFH


スイレン「マオ、貴女は荷造り終わったの?




マオ「私も今日聞いたもん、これからだよ




スイレン「とりあえず詳しい打ち合わせと情報を明日渡すから今日はもう上がっていいよ



マオ「おやおやスイレンが気を使える様になるなんて、人間って進歩するもんなんだね〜それじゃあお言葉に甘えて。セレナちゃん、もうすぐサトシに会えるの楽しみだね!




マオはセレナにウィンクした後、部屋を後にした。




スイレン「さて……邪魔者がいなくなった所で本題に入ろうか




セレナは後頭部に嫌な予感を浮かべながらスイレンを見る。
彼女は今までにないくらいに屈託のない笑顔を浮かべていた。




セレナ「……本題って、マオさんには聞かせれない話ですか?




スイレン「話が早くて助かるよ、その通り。粛清が大分進んだとはいえ、まだまだ対外部門の直近の上層部にはスパイが紛れている可能性がある。例えば超S級の機密、創造主がまだ生きている……とかね




セレナ「へっ……そ、創造主が、まだ生きている?




セレナは震える声でその名を口にした。
ポケモンを生み出し、この世界の基本を作った存在……それが創造主だ。
楽園協議会による最悪の復活劇は防いであの世に送った筈……それをスイレンは平然と否定した。




144 名前:名無し 投稿日:2017/09/23 21:11 ID:r5b3hMpj


すみません、色々な場面で話の辻褄が合わない文を発見したので訂正します。
スイレンとセレナの会話で、




スイレン「話が早くて助かるよ、その通り。粛清は大分進んだとはいえ、まだまだ対外部門の直近の上層部にはスパイが紛れている可能性がある。例えば超S級の機密、創造主はまだ生きている……とかね




の文は、




スイレン「話が早くて助かるよ、その通り。粛清は大分進んだとはいえ、まだまだ対外部門の直近の上層部にはスパイが紛れている可能性がある。だからまだまだ漏らせない情報が盛りだくさんなんだよ。例えば超S級の機密、創造主はまだ生きている……とかね




が正規です。
他にも何か変だなって気づいた文があったら教えて下さい。
説明します。

145 名前:名無し 投稿日:2017/09/25 16:08 ID:gCtttKSI
なんか、話が難しくなってきたなぁ
146 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/25 16:15 ID:lAamscay
すみません、読みづらいですか?
質問があればなるべく解説できる様にして行こうとは思っています。
147 名前:イッチ◆Whc/JdNwwk 投稿日:2017/09/25 17:57 ID:bHuad9lk

自分のスタイルを貫いて頑張って下さい。

しかし凄い文と展開ですね、スレ主様の頭の良さが伝わってきますよ。
148 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/09/25 22:18 ID:9Mja6XJM

ありがとうございます。なるべくスタイルを変えない様に今日も頑張って書きます。
149 名前:名無し 投稿日:2017/09/26 18:40 ID:NeztYD6O
うわお
本物のイッチさんも見に来てたのか!
さすがですね 支援!
150 名前:名無し 投稿日:2017/10/01 15:52 ID:2NEaPhHF


スイレン「あのサトシが消えたポケモンセンターに残された残留思念でなんとなくわかったよ……創造主が仕掛けたゲームはまだ終わってなかった、むしろ始まりだった……てね



セレナ「そ、そんな事……あの時ポケモンセンターでゲームがどうのこうの言ってたのって……創造主が関わってたんですか!?ならちゃんと報告書で教えて下さいよ!




スイレン「署長には言ってあるから大丈夫セレナ捜査官はいつもそばにいたから忘れちゃってた




セレナ「だからって……いや、この際私の事はどうでもいいです。この事を……ホワイトホールには?




セレナの疑問に、スイレンはおかしな者でも見るような目で見た。




スイレン「どうしてテロリスト如きにこんなおいしい情報を教えるのさ?
151 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/01 20:13 ID:fw0wDnMF
本日、2300頃より結構話を進めます。
152 名前:名無し 投稿日:2017/10/02 18:22 ID:CuZeX1Ny
いえーい楽しみ!
支援支援支援!
153 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/02 21:02 ID:2vndZk3H
すみません、仕事でちょっと遅れます。
明日の朝までには投稿します。
154 名前:名無し 投稿日:2017/10/02 22:30 ID:2vndZk3H




そう言ったスイレンの表情はセレナが驚くほど無垢な瞳を浮かべていた。





………………………………

………………


ポケトレイン3587便、ヤマブキシティ行きーー。
その個室の客室の窓からぼけっと空を眺めるサトシの姿があった。
隣には当然のようにニコニコと笑顔を浮かべながらサトシに抱きつくサイドーテールがトレードマークのベイリーフが。




サトシはそんなことも気に留めない様子でボケーッと空を眺め続けていた。





快晴。
流れ行く雲、どこまでも深く青い空。
こんな壮大な景色を見てたらなんだか最近の悩みも吹き飛んじまうな……とサトシが脳裏に浮かべたの一瞬だった。



客室に備え付けらたラジオからサトシを不機嫌にさせるには十分な内容が聞こえてきたからだ。



『さあ始まりました!司会のマイナミでーす。今日も張り切ってやっていきましょう!さて……今週のポケラジはなんと……ポケモンマスターとなって話題沸騰、イケメンモテモテ女の子もマスター、チャンピオンサトシさん特集です!!



サトシ「……聞いてねぇぞ



ベイリーフ「?何が



サトシ「別に……



ラジオから流れてくるのは無許可のサトシの裏話や意外な素直といった話題だった。
155 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 21:21 ID:JIkLb8Ku



『あのモテモテなサトシさんなんですが、なんと女性耐性があんまりないらしいですよ。サインを求めて近寄った女性ファンに顔を赤くしながらテレまくってたなんて情報もあるくらいです




サトシ「……抗議してやる、どこの局だ




ベイリーフに肩腕を掴まれながらサトシは器用に片手でラジオ局の電話番号を検索し始める。
ベイリーフはあいも変わらず機嫌良さげにサトシの肩腕に抱きついていた。




サトシ「おっ……これか。ゼロナナの……



正に電話をかけようとした時だった。
ラジオの司会者が大きく声を張り上げる。



『そしてなんと!そんなサトシさんが今話題の超エリートトレーナー学校に入学するという匿名の電撃的情報が入りました!これは見逃せませんね




ピクッと、電話番号を打ち込もうとしていたサトシの指が動きを止めた。




サトシ「おいおい……誰が流すんだよそんな情報。いや……逆に言えばアイツしかいねーか




サトシはベイリーフの抱きついてない方の腕で乱暴に客室の壁を殴った。
そんな状況下の中で、ベイリーフはただ上機嫌そうなままで見向きもしていなかった。



サトシは空を見上げながら、自らがアイツと呼んだ人物を思い出しながら過去を回想する。
時は48時間前の事だった。


………………………………

………………



156 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 21:45 ID:JIkLb8Ku




ユリーカ「ポケモンハイスクールは関東最大の都市、ヤマブキシティに位置している。編入手続きはもう済んであるから今から最近普及したポケトレインで向かってね。場所はトキワの中心部にあるトキワ駅に向かってもらえばいいから、はいチケット




サトシ「……勝手に段取りやがって、俺の意思は無視かよ?




ユリーカ「なに、消えたピカチュウに辿り着けなくていいの?



サトシ「……チッ、言っておくがな!ピカチュウに辿り着けなかった時はテメェら全員ぶっ殺してやるからな!




サトシは自らが吐き出した言葉に違和感を覚えた。
それをユリーカはニヤニヤと読みとった様に近寄り、口を開く。




ユリーカ「ふふふ、ぶっ殺してやるなんて言葉……昔のサトシなら絶対使わない言葉だね。それをスラスラと口にするなんて……サトシの失った記憶の中にはそのヒントがあるかもよ?




サトシ「……なんでそんな回りくどい事しやがるんだ。お前ら全部知ってんだろ!教えてくれ、ピカチュウに合わせてくれるなら奴隷にでもなんにでもなってやるよ!だからユリーカ!




ユリーカ「ふふっ……奴隷(スレイブ)ね。非常に魅力的なお誘いではあるけど、むーり。サトシが記憶を失っている事によって未来で起こるイベントが盛りだくさんなんだもん。いま答え合わせしちゃったらそれが変動しちゃうじゃん




サトシの肩腕に抱きつきながらユリーカは小悪魔っぽくそう囁いた。
サトシは困惑した様に額に手を当てながら返答する。




サトシ「イベントだと?……まるで未来がわかってるような口ぶりだな




ユリーカ「わかっているのだよ、サトシくん。私達……唯一神を保有するスレイブにはね




ユリーカがそう言いながらサトシの手のひらに強引に乗せたトレインのチケットをサトシは半ば諦めた様子で受け取る。
その様子を満足気に頷きながら見ていたユリーカはサトシから離れ、再び口を開いた。




ユリーカ「学校は4日後、今日出発する高速トレインでヤマブキに向かうことは学校側には調整済みだから、ついたら寄り道せずにまっすぐ寮まで向かってね。ヤマブキにいるスレイブの構成員に案内に向かわせるから学校までのルートは心配しなくていいよ
157 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 21:50 ID:JIkLb8Ku




サトシ「……最後に一つ聞かせろ



ユリーカ「なーに?



サトシ「シトロンも……テメェらスレイブとかいう組織の一員なのか?




ユリーカ「お兄ちゃん?笑わせないでサトシ、あんな科学バカに高尚で、狡猾で、獰猛なスレイブの一員につかせるわけないじゃんお兄ちゃんはただの一般人、これは嘘じゃないよ信頼して
158 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 22:17 ID:JIkLb8Ku




サトシ「……




ユリーカ「そんな事よりサトシ、4日後には楽しい楽しい学校生活だね!学校生活はアローラ以来かな?ポケモンハイスクールでの貴方の登場によって大きく物語は変動する……サトシ、記憶とピカチュウを取り戻す為に頑張ってね!




……………………………

…………



サトシ「なあベイリーフ……お前ってさ



過去の回想を終えたサトシは、完全個室の客室の中でベイリーフに話かける。
ベイリーフは眠そうな目を擦りながらサトシを見た。




ベイリーフ「なに?




サトシ「お前……ポケモンセンターでいきなり俺を助ける為に来てくれたよな?……お前は博士の研究所にいたはずだ、ニビからは数千キロは離れているのにどうやって来たんだ?




ベイリーフ「あー、あれね。オオキドの研究所にいる時に突然頭に誰かの声が響いてきたの。私の名前はユカ、サトシが危ないからその場所まで連れていってあげるって。分かった、連れてって!て頼んだら気づいたらあのポケモンセンターだった




サトシ「そうか……じゃあ次の質問だ




ユカ『サトシお兄ちゃん、ベイリーフちゃんに質問しても大した情報は得られないよ?なんせ私がいきなり連れてきたようなもんだから




サトシ「……マサラの実家についた時、スレイブとかいう連中を敵じゃないって言ってたよな?……あれは何故だ?



サトシはユカの声を聞きながし、ベイリーフに質問を続ける。
ベイリーフは寝ぼけ目でサトシを見つめながら再び口を開いた。




ベイリーフ「ユカがそう言ってたから



サトシはベイリーフの言葉を聞いた後、納得したように腕組みをした。



サトシ「成る程な……これで分かったぜ



ユカ『何が?
159 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 22:25 ID:JIkLb8Ku




サトシ「ユカ、お前無線のチャンネルを変えるみたいに特定の人間とだけ会話する事が出来るんだろ?



ユカ『?それがなに?



サトシ「今認めたな?お前は俺の精神の中に住んでいるとか言ってやがったけど……本当は嘘だろ?お前は複数人の精神にウイルスみたいに媒介してやがるんだ、じゃないと複数人と会話をする事に説明がつかない……違うか?




ユカ『ふーん……面白い仮説だけど、それは私がそういう能力だって言ったら終わりの話じゃないの?サトシの精神に住みながら他の人にも話かける事が出来る。うん……なんら不思議ではないと思うけど
160 名前:名無し 投稿日:2017/10/04 22:30 ID:JIkLb8Ku



サトシ「それが数千キロ離れたベイリーフにも可能だってのか?有り得ないな。そうすりゃなんでも有りになっちまう。何より……




ユカ『ほうほう、何より?




サトシ「俺の勘が違うって言ってる




ユカ『ぷぷっあっはっは!流石じゃん、流石野生のバトル勘だけでチャンピオンになっただけはあるよ。推理できるサトシお兄ちゃんかっこいい、ホームズみたい




サトシ「……ホームズ?
161 名前:名無し 投稿日:2017/10/05 21:06 ID:9B0RgkGs





ユカ『とにかく、無駄な詮索はやめといた方がよいよ。サトシお兄ちゃんは川に流れる丸い石ころのように流れに身を任せるだけ、それだけで貴方が望む結末へと向かうから




サトシ「……その言葉、信じていいんだな?




ユカ『もちろん!だってサトシお兄ちゃんは私のかけがえのない……




ポケトレインが停車し、若干車内が揺れて停車する。それは37時間に及ぶ電車の旅の終わりを表していた。




ユカ『パズルのピースなんだから!





………………………………


……………




サトシ「へっ……パズルのピースか




サトシは自嘲げな笑みを浮かべながらトレインの入り口をキャリーバッグを転がしながら歩いていた。
隣にはハイテンションな人型ベイリーフの姿がある。





サトシ「つまり……単なる道具の一つって事だろ?




ユカからの返答はなかった。
サトシは舌打ちをした後、ゆっくりと歩みを進めながらベイリーフと共に改札へと向かっていった。
162 名前:名無し 投稿日:2017/10/05 22:22 ID:7MMmbHli
支援
163 名前:名無し 投稿日:2017/10/05 22:24 ID:9B0RgkGs




……………………………

………………



雑多……一言で表すならその言葉だ。
ここはカントー最大の駅を持つヤマブキステーション。
最新鋭でハイテクなシステムを搭載したその駅の純白の構内には、その様相には似つかわしくない雑多な人々にあふれていた。





ベイリーフ「ヤマブキって……こんなに人おおかったけ?




サトシ「いや……ここ数年で更に近代化が進んで人口も急激増えたらしいぜ。今やヤマブキシティーはカントー最大の都市として名高いそうだ……地方連合委員会本部もこの街に移籍してきたらしい




164 名前:名無し 投稿日:2017/10/05 22:35 ID:9B0RgkGs



ベイリーフ「ふーん……サトシ物知りだね!




サトシ「客室のパンフの受け売りだけどな……さあ、ともかく行こうぜ。変装しているとはいえ、俺の存在が気づかれたら大ごとになる




サトシはそういいながら自身のマスクをクイッと鼻上まであげる動作をした。
ベイリーフは首を傾げながら疑問を呈す。




ベイリーフ「どうして?




サトシ「そりゃ……俺って地味に有名人だし




??「そうだよ、因みにさっきから三人の一般人が貴方をポケモンマスターのサトシではないかと疑ってる。彼らに気づかれれば最後、この大量の群衆に取り囲まれて身動き取れなくなっちゃうよ
165 名前:名無し 投稿日:2017/10/07 08:33 ID:B3vBffoS
いつも夢中になって読んでしまう
支援!支援!支援!支援!支援!
166 名前:マーズ 投稿日:2017/10/07 09:30 ID:XdWyWd7M
話しが続かないので、代わりに続きを書きます。
現在の作者は、おもしろくないと思います。
167 名前:夢幻のメロディー 投稿日:2017/10/07 11:00 ID:ziTmBTzv
いい加減にしてくださいマーズさん。
仮に面白くなかったとしても貴方が書いてよい理由にはなりません。
話が全然進まないと言っていますが皆暇ではないのです。
読者が読むのと作者が書くのとでは全然違って、
スラスラ読めてもスラスラ書けません。
第一、貴方は面白く書けるのですか?
SSを書きたいのなら新スレを立ち上げてください。
もし、このスレが詰まらなくて話の進まないSSで、
貴方が書くSSが面白くて話が早く進むSSなら、
このSSの読者の皆さんはこのSSを読むのをやめて、
貴方のSSを読むようになるはずです。
168 名前:名無し 投稿日:2017/10/07 14:18 ID:1QN01WPW
その通り。                                      代わりに書くとかやめて。 
169 名前:名無し 投稿日:2017/10/08 09:21 ID:8g9epC24
逆になんで新しいスレたてず個々に書こうと思うんだよ。
こっちはいつも楽しみに待ってるんだから勝手な事言わないでくれ。

少々口調が激しくなりました。
失礼しました。
170 名前:名無し 投稿日:2017/10/08 21:19 ID:ZK7Bcf5T
イッチさんのスレでも言われてましたけど面白くないなら理由を言ってください。でないと作者も面白くない理由が分からないままで面白い話は書けません。
それに僕も他サイトで小説を執筆させていただいていますが、こんなに長くて壮大な話を考えて書くのには相当な時間と労力を必要とする筈です。
頑張って書いている作者に向かって「代わりに書く」と宣言するのは無礼だと思います。
取り敢えずマーズさんは礼儀と常識をわきまえるべきだと思います。
長文失礼しましたm(_ _)m
171 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/09 11:44 ID:inK6P6Oy

なんか、すんません。
仕事が忙しく、最近まともに書く事が出来ていませんでした。
とりあえず僕に出来ることは書き続ける事だと思うので、皆さんが見てくれている今に頑張って書きます。今日は夕方から予定が空いているので書いていきたいと思っています。これから書けない日も書ける日もレスするようにします。
172 名前:名無し 投稿日:2017/10/09 19:21 ID:qYtoVDy4


丁度改札を通り抜けた辺りでサトシ達の後方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
サトシが振り返ると、そこには彼らが予想だにしない人物が笑みを浮かべて立っていた。




サトシ「コルニ……まさかお前が……




コル二「久しぶりだねチャンピオン、さあ周りの目も増えてきたから早速スクールまで案内するよ




久しぶり相対したコル二はトレードマークのヘルメットはつけておらず、通常のポニーテールだった。
173 名前:名無し 投稿日:2017/10/09 20:05 ID:mWBGAmRQ
この、名無しって主さん?
174 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/09 20:40 ID:qYtoVDy4
そうです
175 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/09 21:05 ID:qYtoVDy4



………………………

……………



駅から出て数分。
コル二から案内されたワンボックスカーに乗り込んだサトシ達は窓から見えてくる発展を続けてきた巨大都市、ヤマブキシティーの景色に圧倒されていた。



そびえ立つ巨大なビル群、大勢の人間、連れられたポケモン。
どれも今まで旅してきた発展都市よりも大かった。



サトシ「近年でまさかこれほどまでに発展するとはな……前来た時の数倍の人がいるぜ





ベイリーフ「いつも思ってたけど、自分より大きい建物をどうやってつくるんだろ?




コル二「驚いた?今では人口が1200万人を超えて地下都市居住区建設計画まで出ているほどなの。これを見たら嫌でも地方連合委員会が本気で次の首都変更しようとしているのがうかがえるね




サトシ「そう……だな



サトシは言葉を発しながら運転席に座るコル二の姿を見た。
彼女は流暢にハンドルを捌きながらサトシとの会話に参加していた。




サトシ「……迎えはお前だけか?




サトシのこの言葉にはバックミラーを見てコル二が反応した。
不意にサトシと視線が交錯する。




コル二「この都市にはホワイトホールを始め、多数の敵対組織が混在しているからね……私も昔の馴染みで迎えに来たっていう設定だから大勢では来れなかったのよ……その方が良かったかしら?



バックミラーで視線が交錯した状態のままでコル二はニヤリと笑った。
サトシは視線を窓の外を戻しながら返答する。



サトシ「別に……見知らぬ大勢の輩に迎えにこられてもうれしかねぇよ。聞いて見ただけだ



コル二「ふふ、そっか。あ、貴方達の丁度真ん中にクーラーボックスがあるでしょ?その中に飲み物が入ってるから飲んでいいわよ




コル二が運転しながら片腕を上げ、親指で指しながらクーラーボックスを示した。
確かにサトシとベイリーフが座っている後部座席の真ん中にはクーラーボックスが鎮座していた。
176 名前:名無し 投稿日:2017/10/09 21:56 ID:qYtoVDy4




サトシ「飲み物ね……ベイリーフ、お前喉乾いているか?




ベイリーフ「うん!ちょっと喉かわいてる




サトシはコル二がクーラーボックスを開けてみた。
中にはグレープの炭酸ジュースと水のペットボトルが入っていた。
サトシとベイリーフ用の内容物……なるほど、家に勝手に入り込んでくる連中のくせに多少は気は使えるんだな……とサトシは感想を脳内に浮かべる。




サトシは手に水を取るとベイリーフに手渡した。
ベイリーフは困惑顔でそれを受け取る。




サトシ「……どうした?




ベイリーフ「サトシ、コレどうやって飲めばいいの?




サトシ「あ……そうか、お前は
177 名前:名無し 投稿日:2017/10/09 22:53 ID:qYtoVDy4



人間の姿になっただけだから分からないか、という言葉はサトシ必死に飲み込む事に成功した。
サトシはペットボトルをベイリーフから受け取るとキャップを外してやる。





キャップを外したままベイリーフにペットボトルを手渡すと、何故かベイリーフはそのまま持ち上げてペットボトルの飲み口を覗きこんだ。




サトシ「ちょっ、何やーーーー




ベイリーフ「キャッ!




当然飲み口から水が流れてベイリーフの顔にかかった。
サトシは咄嗟にペットボトルを奪い取ると、ベイリーフの顔をハンカチで拭いてやる。




サトシ「何やってんだよ……水を飲むだけだろ?




ベイリーフ「サトシ……これどうやったら飲めるの?




そこまで言われて初めてサトシは状況を理解した。

『そうだ……ベイリーフはずっとポケモンだけの世界で生きて来た。俺と旅をしたのも僅か数ヶ月間だけ……つまり人間社会の事は一も二も分かっていないんだ

まるで赤子同様、ベイリーフはそれに近しいと気がつくとサトシは額に手を置いて冷や汗を流した。
178 名前:マーズと思いきや早計 投稿日:2017/10/10 07:54 ID:aaK2IeVP


今日も夜書きます。
179 名前:名無し 投稿日:2017/10/10 18:29 ID:DI8hK8M0
流石名前ハイセンス。やばめ笑
180 名前:名無し 投稿日:2017/10/10 22:32 ID:Gn3VSJ5d




サトシ「おい……確かお前らスレイブはベイリーフも学園に入学させたんだよな?





コル二「私はそう聞いたけど……今の状態じゃ無理があるようだね……




コル二がポリポリとほおを掻きながら言った。
サトシはまたもや額に手を置いて頭を悩ませていると……不意に車内全員の脳内にユカの声が響いた。




ユカ『心配しなくてもいいよ、今夜一晩でベイリーフを人間社会に順応させるから





サトシ「……はっ?




コル二「ユカ様……お久しぶりです。……ベイリーフを一晩で順応させるとは?




ユカ『ふっ、秘策があるんだー。まあ、心配しないでいいよ。ミカも使った反則技だから




コル二「あのホワイトホールのミカですか……ふむ




サトシ「……また身内ネタかよ、そんなことよりベイリーフはーーー




ベイリーフ「スーッスーッ……




サトシが隣に視線を向けると、ベイリーフは安らかな顔で寝息を立てて眠りについていた。
サトシはため息を吐きながら再びユカに話しかける。




サトシ「おい……秘策とか言ってたけどコイツその前に速攻で眠っちまったぞ?
181 名前:名無し 投稿日:2017/10/10 22:40 ID:Gn3VSJ5d


ユカからの返答はない。
サトシが舌打ちをしながら窓の外を眺める。



コル二「……コレが秘策なのかもよ?




サトシ「はん、まさか




サトシはうんざり気味にその言葉を笑い飛ばした。




…………………………

…………



ヤマブキシティーの丁度中心部に位置するタワーを起点に、ポケモンハイスクールは位置している。
182 名前:早計 投稿日:2017/10/12 17:32 ID:Xc0zAg4B
今日書くかも
183 名前:名無し 投稿日:2017/10/12 22:29 ID:Xc0zAg4B



地方連合委員会も拠点を置く巨大都市の中で、広大な敷地面積と近代的な施設を保有するポケモンハイスクールは、全長にすると何十キロメートルにも渡る高さ八メートルの肉厚の壁に囲まれていた。




サトシ「……へっまるで牢獄だな



現在はその数キロ単位に及ぶ壁の外周の出入り口を求めて、サトシ達を乗せた車両はひたすら走っていた。
そんな中でのサトシの突然の呟きに運転中のコル二が反応した。





コル二「名目上では生徒を守る為の防壁だけど、サトシがそう見えるのは間違いないね。数千台のカメラとセンサー……出るのも入るのも一苦労モノだよ
184 名前:十五歳の早計 投稿日:2017/10/13 14:59 ID:pSIg4erC
昨日も寝落ちしてました、今日は時間がありそうなんで気力が続く限り書いていきたいと思います。
185 名前:名無し 投稿日:2017/10/14 06:51 ID:wCl8zDV4
面白くなって来た
支援!
186 名前:名無し 投稿日:2017/10/14 23:07 ID:Me9wYGLe


まるで忍び込む様な視点のコル二の言葉に、サトシは人知れず笑みを浮かべた。
サトシは自分自身、何処に笑いどころがあったのか分からなかったが……一つだけ、確信出来た事があった。




自分が知らない自分がいる……。
それは失ったという自らの記憶によるものなのかはサトシは分からなかった。





…………………………

……………



やっと見つけた学園への厳重なゲートをくぐると、サトシ達を乗せた車両は学園の大きなメイン道路を進んで行った。

187 名前:名無し 投稿日:2017/10/15 22:15 ID:ofZ8GUet



サトシは内部の様相を見て思わず声を漏らした。



サトシ「……え?




コル二「驚いた?ここは西側ゲートの入り口付近、学生用のショッピングタウンだよ





そこはまるで観光地の様な賑わいを見せる繁華街だった。
飲食店の他に様々なショップが立ち並び、大勢の制服を着た学生が行き交っていた。




サトシ「……なんで学園の中にこんな繁華街が?




コル二「地方連合委員会はなるべく学生の外に出る口実を減らしたいらしいね。親御さんとの面会の時もこの繁華街エリアなら許されているらしいし




サトシ「ほう……外に出る口実を減らす……か。へっ、洗脳でもするつもりかよ



コル二「そうかもね
188 名前:名無し 投稿日:2017/10/15 22:30 ID:ofZ8GUet




笑みを浮かべながら繁華街を闊歩する学生達をみながら、サトシ達を乗せた車両は繁華街エリアを抜けていく。




サトシ「なんで……こんな日中に学生が出歩いてんだ?



コル二「今日は土曜日だよ、明日も休み。開園されてから初めての休みだから学生達も張り切って探索してるんだと思う



サトシ「ふーん……



サトシが生返事を口に出す頃には違うエリアへの境界にまで車両は到達していた。
サトシがフロントガラス側の窓から正面を伺うと……繁華街エリアから学園エリアへと移動する道路には再び肉厚の防護壁があった。




サトシ「……ここにも壁かよ




コル二「繁華街エリアまでは学生の保護者の闊歩を許してあるからね、万が一にも保護者に扮した危険人物が入りこまない様に警戒厳重にしてあるんだって



コル二の言葉にサトシは笑みを浮かべた。
バックミラー越しにそれを確認したコル二はサトシにその意を問いかける。




コル二「どうして笑ってるの?




サトシ「いや……お前らみたいな危険人物が学園の生徒にはいっぱいいるんだろ?意味ねーなと思ってさ



………………………………

………………



189 名前:名無し 投稿日:2017/10/15 22:38 ID:ofZ8GUet



サトシ達を乗せた車両は学園エリアへと進入し、こじんまりとした駐車場で停止した。
一時間ちょっとぶりに外の空気を吸ったサトシは大きく伸びをした後、荷物を降ろして眠っているベイリーフを背負った。




サトシ「意外と小さい駐車場だな、こんな規模の広い学園だから田舎みたいにもっと広い駐車場なのかと思ったよ



サトシの言葉にコル二はクスリと笑った後、自分達の乗っていた車両を指差した。



コル二「見て



サトシ「ん?
190 名前:名無し 投稿日:2017/10/15 22:42 ID:ofZ8GUet


コル二が示した視線の先の車両は……まるで地面に吸い込まれるようにその姿を消した。
サトシが呆気に取られていると、コル二が細くする様に口を開いた。



コル二「ここで置いた車両はエレベーターによって地下へと運ばれるの。車両を出したい時はここにきてナンバープレートの番号を言えば機械が判別して出してくれるわ




サトシ「ほう、金かかってんな
191 名前:名無し 投稿日:2017/10/15 22:55 ID:ofZ8GUet



サトシがそんな事を口にした瞬間だった。
学園中に鳴り響く放送音がサトシ達の鼓膜に届いた。


『お知らせします、今日より編入される転校生の方は学園本棟までお越し下さい』




サトシ「これって……俺たちの事だよな?編入手続きとかか?



コル二「いや、編入手続きはもう終わってる筈だよ。ここは厳しいからそうじゃなきゃ入れない……なんだろう、顔合わせみたいなもんかな……
192 名前:名無し 投稿日:2017/10/16 20:51 ID:AKlihPSk




サトシ「顔合わせ……まあ、いいや。行こうぜコル二、お前も編入生だろ?




コル二「いや……私は正式な手続きを踏んでいるから編入生ではないよ。だけどベイリーフを女子寮まで連れて行かないといけないからついていくよ



サトシ「そうか、分かった




相変わらず寝息をスーッスーッと立てるベイリーフを背負いながら、サトシとコル二はならんで歩き始める。



しばらく行くと駐車場を抜け、学園エリアへと足を踏み入れていた。
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